秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

疲れの向こう

撮影所でダビング作業を終えたばかりの音効のKに連絡する。
 
2ヶ月前までは、映画の作業が終われば、その後、時間にゆとりがとれるような気配だったが、やはり売れっ子。師匠のSが年内すべて映画にとられていては、弟子のKにお鉢がまわってくるのは当然だろう。
 
だが、なんとかやり繰りして、打ち合わせを来月早々に調整してくれた。
 
こちらはこちらで、確認盤DVDで、テロップ位置がよくないことに気づき、修正作業で半日をとられる。体調がよくない中での、単純作業はこたえるが、月末から月初は、最後の自主作品の詰め作業。
 
あわせて、文科省の選定作品に自主作品では初めて申請をするため、ガイダンスを受けたり、手続きをしたりとあれこれある。その前にフライヤー原稿の確認もありと、こまごましているが、ミスのないよう注意が必要な作業が続いている。ちょい休めない。
 
忙しい時ほど、いろいろと相談事が増えるというが、まさにその通り。都知事が会長を務める、「全国明るい社会づくり運動連絡協議会」の港区の運営について、Kさんから相談を受け、夜、会議に出た後、お疲れさんの飲み会で、弁護士のKさんと合流。またまた、酒を飲む。
 
青山村役場の恒例誕生会だからというと、オレの都合を考えて、二人Kさん、打ち合わせはそこでと付き合ってくれる。打ち合わせが終わったら、結局、時計は11時を回っており、二人Kさんも帰り、誕生会も三々五々散っていく。
 
女優の内田が、新しいことに挑戦するらしく、それをオレに話しておきたかったらしいから、奴の話をあらかた聴いて、奴が席を立つのを潮に、オレも撤収。
 
さすがに、昨日は疲れがピーク。それでも結局、寝たのは午前1時半。だが、あれこれ相談をされたり、自主の作品で慌しくやってられるのは、幸せなことだ。
 
次への転換を目指して、何事かに取り組めば、いろいろな試練や教訓と出会う。それが、また、いずれ財産となって、よりよい仕事のあり方、作品のつくり方を生み出してくれるだろう。
 
社会派、啓発物は物理的には恵まれた仕事とはいえないし、それゆえに関る人間は、いろいろな負担もかける。だが、人間を描くという真摯な世界で、問題を抱えただれかのために心血を注ぐということは、きっと何かをこちらにも教え、与えてくれると思う。
 
その先にこそ、オレが描きたいと願っている骨太で、しっかりとした新たな作品や表現の場が待っているような気がする。
 
この疲れの向こうにあるものを信じて、もうひとふんばり。