秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

タケノコ

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昨日、早朝からボランティアの会合に、遅刻して顔を出す。朝から、超、寒い。

久しぶりの電車で、いつものように原宿駅明治天皇、皇后の和歌をゲット。午後に事務所に戻り、寒さで凍えたからだをちょい暖めて、一息入れてしばらくすると、ソンチョウを村娘がお出迎え。

この間、京女優のKさんを青山村の茶室に連れていったとき、村娘にも声をかけたが、なんちゃら要件があるというので、これず、オレと村娘の都合を調整して、昨日ということに。

よく表参道、青山界隈で美の探究をしている村娘。いきつけのアクセサリーショップの並びにあると知って、「いつも、この前、歩いていたのにぃ!」。よほどの珈琲好きか、意図していないと、店には気づけない。

普段は、ゆったりした大坊だが、週末は、表参道や原宿に遊びに来る、飛び込みの客で結構、混雑する。それは、わかっていたが、オレも、村娘も日曜の方がゆっくりできるということで、あえて、混んだ日の大坊へ。

自問自答、独り言、独り会話が多い村娘。あれこれ店のインテリアやら、客やら、珈琲やら、雰囲気やらで、ますます、自問自答。新しい情報にふれると、素直に、即反応するのは、普段、筋肉をガツガツ鍛えているからか。果ては、無意識に、軽く、腰をひねって、ストレッチ(爆)

それに例の質問攻めとやんわり逆説教。

その合間に、先々週末にあったRedの婚活パーティに顔を出したことを、サラリとコクる。別に怒ったり、叱ったりしない。やりたい奴はやればいいだけのこと。

「せっかく、村民になれたから、お付き合いだと思って…」。
「けど、お前、一番年上だったろ」。
 奴の年齢を責めているわけではない。事実を指摘しただけ。
「ま、浮いてたかも…」。

人は何事もやってみないと、事実の向こうにある真実には気づけない(爆)。そのために、なぞってみるのもわるくはない。あれこれやってみるのもわるくない。カーレース好きの村娘は、今後は鈴鹿村にもいってみるそうだ。

てなことを語るうちに日も暮れて、肉の中で、唯一鶏肉は食える村娘を西麻布の鶏繁にご案内。ここでもさすが、筋肉女、まず、ささみを注文。やっぱり。

「味付けなしでいいだろ。ゆでただけのささみ。体脂肪がつないしな」とオレ。「味はつけます!」。
ジャークだから。で、婚活の話の流れで、「あったぞ、お前にぴったりの奴」。「なになに?」。覗き込んだメニューにあったのは、燦然と光る、<おつぼねさま>!(爆)

なんて、いつものいじりをやりつつ、かなりオレの毒舌攻撃にもなれ、オレの体質もわかってきた村娘。次第にずばり、いろいろとオレの本質を指摘してくる。なんでも、奴は、ただの村娘ではなく、「三つ目がゆく」、らしい。額に隠した三つ目で、オレの心の深層を読み取っている。あなどるなかれ、村娘。

それでいて、奴は、最初にあったときに思った通り、実に聴き上手だ。それに、真っ直ぐ伸びたたけのこのように、素直。その素直さは、<汚れちまった悲しみを>生きて来たオレのようなオヤジには、実は、まぶしい。

真っ直ぐ伸びたタケノコといわれて、それが茶化されていると思ったらしい。

「いやいや、そうじゃない。たとえば、オレのように心の汚れた奴がタケノコ狩りにいったとする。そこで、まがったタケノコやら、横に伸びたタケノコやらは、なんのためらいもなく、引き抜くことができる。が、しかし。まっつぐ、健やかに、素直に伸びたタケノコを、だれが引き抜くことができるだろう! そのあまりの素直さに、そうだ、このタケノコには、そのままにしてあげよう。しっかり、太い、孟宗竹に成長してもらおう。きっと、そう思う。それくらい大事にされる人間だってことさ」。

やや不満げだったが、それは、何不自由なく、いい家族、いい人たちに恵まれて育った自分への、ある意味コンプレックス。でも、それでいいじゃないか。そういう人は、人を温かくしたり、暖めたりできる力がある。

なんでも奴にいわせると、オレにもコンプレックスがあるらしい。女性に対して素直に接しないのは、それだと鋭い指摘。ま、「あの素晴らしい愛をもう一度」を読めば、わかる。

村娘がよくいくという、鶏繁からそう遠くない西麻布のバーへ。バブリーな感じもあるが、スタッフがいい。酔って、ぶっちゃけを語るオレに、少しはお澄ましをしなくてはと思っていた村娘、ハラハラ。鶏繁でシャルドネをがぶかぶやり、バーでは、ダイキリをバクバクのみ、完全に出来上がる。

写真は村娘がくれた、京都祇園にある、香煎・薬味の老舗「原了郭」(はらりょうかく)の一味と黒七味。なんでも赤穂浪士原惣右衛門の子孫が始めた店らしい。

外見とは裏腹に、日本的なるものを垣間見せる村娘。オレの本をわざわざ買って読んでくれて、まじめな感想文までくれた。

その素直さに、まぶしいと思いつつ、温められる、汚れちまった56歳。