秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

お買い物

深酒の残る昨日。忘年会に参加できなかった、Oちゃんから、お詫びのメールが届く。さすがわ管理職。心遣いが細かい。

昨夜、フランス野郎のいる麻布十番に帰ったマチルダからは、「ひもの屋」に行きかった~!と、後悔のメール。ボロボロに酔っていたから、オレの誘いのメールを失念していたらしい。

午後には、ベティからメール。昨夜の御礼と、DIESELの先行バーゲンの買い物に付き合ってくれないかという連絡。

DIESEL好きのオレたちは、昨年の夏、冬の先行バーゲンも二人でいっている。オレは、丁度、デニムの直しをとりにいくついでもあって、いいタイミングだった。

夜は、会社の同期の忘年会があるというベティと銀座で落ち合う。なんでも、靴がお目当てだったらしく、1Fの靴売り場に、ポツン立って、オレに到着のメールをすべく、買い替えたばかりのiフォンをいじっている。

オレが携帯を買い換えるとき、付き合ってくれたのだが、こんな多機能はいらないよという言葉に、「そうですよね」と賛同していた奴が、最近裏切った。

靴を吟味している奴を待っていると、馴染みの店員のTくんがいて、しばし雑談。ベティもTくんも同じ神奈川の出身。しかも、最近、iフォンを使い出したのも同じ。ベティは年下に驚いていたが、妹と同じ年齢で、年も近い。

わが日本国には、無駄なものが多いと、DIESELの1階で秀嶋節。さすが、Tくん、笑いながら、でも、こっちの仲間に入りましょうよと、うまい受け。

「Tさんが年上だったらなぁ…」などと、ベティは、いつもの夢見る夢子さんの独り言をいう。オレを前にして、失礼な奴だ(笑)。Tくんは確かに、ベティ好みのタイプ。

お目当ての靴を一足でがまんして、3Fでみつけたキャリアっぽい黒のバックを購入するが、サイズを探してくれた店員さんが、西武店にあるというので、見に行く。がまんできないだろうと読んだ読みが正解。

「買っちゃた…」といいながら、しかし、いい買い物をしている。ブーツは、折り返しのできる人気商品だったし、ウォーキングシューズは、店員さんが薦めただけある、オシャレ感のあるもので、よく似合っている。バッグは仕事で使える実用的なもの。西武以外は、40%オフだから、グットチョイスだ。

オシャレ好きの人間の気持ちはわかる。若い頃、オレも豊かとはいえない生活の限られた中で、なんとか工夫してアイテムを揃えていた。

贅沢だという自分を戒める気持ちもあるが、それが、次の自分の仕事へのがんばり、夢や希望に立ち向かう元気の素になるのであれば、意味のあることだと思う。

買い物を終えて、まだ忘年会まで時間があるというベティと、この間、銀座で内田に会ったとき、教えてくれた喫茶店にいく。SKD出身の奴のダンスの師匠が、SKD時代からバイトしていたという西銀座デパートの店。銀座のこうした場所では、実に珍しく、どの席でもタバコが吸えるのだ。

しばらくぶりに、ベティととりとめなく話をしたが、やはり、奴はいい感じで成長している。意表を突くユニークな発想や奇妙奇天烈ながら、ちょっと淫靡でシュールな夢見る夢子節は、奴の大きな魅力のひとつだが、それに磨きがかかっている。

同時に、仕事に本気で立ち向かっている空気感がある。以前、いろいろと迷ったり、悩んでいたときのような愚痴がない。

奴の中にあるユニークで、ブラックな感性はもっと磨いて欲しいが、それができるのも、奴が実に素直で、吸収力が高いからだ。それは、たぶん、きちんとした家庭教育を奴が受けているから。厳格なのでない。自由さが許される家庭にいたのだと思う。だが、放任でもない。ルールの中で、それをされている。

ちょとした言葉の端々、気遣いにそれが漂っている。それが自然に身についている若い女性は、いま意外に少ない。

だが、ブラックな感性とそれとは、時として衝突もする。おそらく、感性豊かであるがゆえに、思春期から、その葛藤がどこかにあったはずだし、いまもあると思う。だが、それでいいのだ。と、奴が思いきれるときは、もう近いと読んだ。

ベティと年明け飲もうと約束して別れ、家に戻り、今朝から食べたかったサルバトレーレのピザを出前注文していると、酒豪編集者Rから電話。いま、東京駅。

昨日の忘年会に参加していなかった奴に、昼間メールを入れておいた。仕事が忙しいのはわかっているが、超多忙で具合でも悪くしているのではないかと、実は、心配してのメール。そんなことは一つも書いてはいないが、元気ならば、何かいってくるだろうと読んだ。

結局、年末ギリまで出張だったのだろう。年明けに飲む約束をする。

ベティもそうだし、酒豪編集者Rもそうだ。Redの他の連中もそうだと思う。みんな忙しくなった。

忙しさの中で、何を実現するのか。自分の感性を磨きながら、どこへ向かうのか。少なくとも、いままでのような考えや意識ではなく、自分という人間が自分らしく生きるために、どうあるべきなのか。

それをみんなが考えているのだ、と思う。苦しく、大変な時代だからこそ、それができる。

それは、明日への自分のための買い物だ。だからこそ、意義のあるいい買い物をしなくてはならない。