秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

お絵描き

昨日は、久々に絵コンテのラフを画く。

心意気の合ったスタッフ編成ができているのと、撮影前にカット割確認を必須にしているので、秀嶋組ではカット割り表があれば、絵コンテまで必要としない。カット割表には、絵コンテ並みの説明を、オレが3日かかりで書き込むからだ。

今回は、絵コンテ提出がプレゼンの必修条件なので、久々昨日はお絵描き。午前中、人形町まで自転車を飛ばし、友人のデザイナーのTにそれを渡し、プレゼン用の仕上げを頼む。Tとの仕事の数は多くはないが、同じ歳ということもあり、ノリが同じということもあり、仕事の話はそこそで、だいたいの意図が通じる。

最近、マイナー系の劇場公開映画のポスターを予算のない中、やっているようで、オレの仕事に期待も理解もしている。半年に一度くらいしか会わないのだが、奴と会っていると奇妙に心が落ち着くのはなぜだろう。人形町という町の空気感もあるのかもしれないが。

ちなみに、オレは人形町には、もう一人、知り合いのデザイナーのHさんがいる。こちらも同じ歳。青山ばかりでなく、人形町でも遊ぼうと誘われ、老舗のお好み焼屋、なじみの店に連れていれたことがある。Tとも飲むときも、ほとんど人形町だ。だから、なぜか人形町に詳しい。まして、人形町には、明治座がある。オレの舞台スタッフの中には、明治座の関係者もいるのだ。

事務所に戻り、自転車を置いて、今度は、石神井公園の先、谷原にロケハン。某著名女優のスケジュールを押えるために、ロケセットを下見。事務所に戻り、テレビ、映画の著名脇役を抱える、長い付き合いの事務所のマネージャーに連絡、早々に資料を持ってきてくれるという。

外堀を埋めるように、プレゼン資料が整っていく。想定内に物事が進み、気持ちがいい。公民科の撮影段取りはおまかせ状態で、ちょい気になるが、いま時間をとられている作業があるから、赤塚不二夫ではないが、「それでいいのだ」、だ。

早いとこ、プレゼン資料の作成段取りを済ませ、年末前までに来年の自主制作のシリーズタイトルの作品台本を書き上げたい。年末、年始は、途中で手付かずになっている、自分の社会評論の原稿に没頭したいからだ。

年が明けたら、撮影だの、別の台本書きだので、また、時間がなくなるのは目に見えている。

12月に入ってから、風向きが変ったと、はっきり感じる。向かい風が追い風に変っている、ような気がする。オレに、自分らしい仕事をさせてくれようしている、見えない力のようなものを感じるのだ。

仕事にせよ、人との関わりにしろ、絵を描くということは大事なことだと思う。これからの仕事の姿、人との関係、そうしたものの未来像を頭の中に描くということだ。荒唐無稽の絵はどうかとは思うし、こうなったらいいという現実を無視した夢想はいけないが、よりより仕事の姿、よりよい人との関係を、現実の延長に描くということは必要な気がしている。

人が苦しいのは、その絵がみえない。あるいは、見えなくなってしまっている自分がいるからだ。年末、そして、来年へ向けて、オレも現実に根ざした絵を、しっかり描き続けよう。