秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ありがたい風…

毎日、ブログを更新しているのを驚かれることがある。

いまでは、すっかり生活の一部になってしまい、ある意味、オレの表現活動の一つに定着してしまったから、当たり前のことを当たり前にやっているだけのこと。

基本、どんなに早い時間に起きても、遅い時間に起きても、まずは、部屋・台所・トイレの掃除。体調が悪くない限り、ストレッチに筋トレ。早朝起きていれば、そこからジョギングとウォーキング。朝の時間がつまっているときは、夕方から夜にかけて、それをやる。

ブッティストのオレは、朝のうちに仏様に手を合わせ、そこから仕事。時間の合間をみつけて、さらさらとブログを更新する。さらさらだから、誤字脱字が多い。この生活習慣は、もうこの数年お決まりになっている。

毎日、それを繰り返して、気持ちがいいから、ブログの更新も苦にならない。そうした生活リズムは、中でのタイムスケジュールの入れ替えはしても、崩さないように心がけている。

昨夜、お世話になっているKプロデューサーと銀座で軽くワインを飲んで、あれこれとりとめもなく話をしていたら、オレのブログの話題になり、「毎日更新するというのは、大変だろうが、習慣づけるということが、何にせよ、大事なことなのさ」とほめてもらった。

Kさんも運動好き。だから、定期的に、習慣的に身体をケアすることを欠かさない。それに、オレ以上に好奇心が強い。珍しい店やよさげな店をみつけるのが、実にうまい。若い頃、ちゃんと遊んでいる。だから、ファッションにせよ、飲食にせよ、女性にせよ、目利きがいいのだ。

贅沢はしなくても、そうした目利きは、きちんとしたライフスタイルの中からしか生まれてこないし、磨かれないと思う。それがあってこそ、仕事のセンスも、知的センスも磨かれる。

自分をがんじがらめにする必要はないが、一定の繰り返しを心がけることは、何かで不利不足のときがきたとき、心の動揺を少なくしてくれると、オレは思っている。おそらく、イチローが同じことの繰り返しにこだわるのもそのためだ。

人は、どんな偉業を成し遂げる人間でも、いや、だからこそ、心の動揺と常に向き合っている。それをどう克服できるか、その人の器がわかる。

Kさんは、はっきりといわなかったが、Redの仲間やほかの読者の方たち同様、オレのよわっちいコメントを心配してくれていたのだと思う。

プライベートなこともあるが、思うように、自主作品の段取りが進まず、陸の上のカッパ状態なのを察してくれているような気がした。寂しがり屋のオレは、スタッフや役者に囲まれている時間がないと、たぬきさんが、寂しいうさぎさんになってしまう。

それにオレが形にしたい、いくつかの作品のことも知って、理解してもらっている。やはり、映画や舞台の話を、わかってもらえる人と語り合うのは、楽しい。元気を注入してもらった。

Kさんには、本当に兄貴のように、面倒をかけ、お世話になっている。ありがとうございます。

それだけでなく、昨夜はありがたいこと続きだった。

RedのYouが、卵酒が飲みたいというオレのコメントに、「つくってあげますよ」と書き込みをくれた。Kさんと別れて、青山へ向かっていると、ネーリストのKが、「つくって、Redに持っていってあげましょうか」とメールをくれる。本当に、気遣いの女だ。

Redにいくと、およよ、わけのわからん、あのマチルダが連ちゃんで来ている。彼氏のフランス野郎と同伴。Kの他に、イワもいる。そこで、待望の卵酒をYouに出してもらう。

が、しかしだ。なんと、イワも、マチルダも、卵酒を知らない! 卵酒は、なんと全国区ではなかったらしい。

なんてことを皮切りに、マチルダが映画のこと、三島のことを持ち出して、オレとフランス野郎と話をさせようとする。奴のねらいは、きっとそこにあった。

ところが、このフランス野郎、なかなかいい。北野監督の駄作、ドールを褒めている当たりは、いかにもフランス野郎だが、なぜ、ドールがいいかを懇々と語る。その語っている内容に知的センスがにじみ出ている。

まだ、若いから日本文化に対する造詣が類型的過ぎるのだが、大方のフランス人が持つだろう、その類型的造詣を語りながら、奴は、それがヨーロッパ文化にないテイストだから心惹かれているという自身の類型的解釈の浅さも自ら指摘していた。えらい! 議論の仕方を知っている。

さらに驚いたのは、新渡戸稲造の『武士道』をどこかで読んでいた! 新渡戸のことは知らないようだったが、その一節でもどこかで読んでいるということは、相当にインテリジェンスが高い。

で、わが佐賀鍋島藩の武士の教育書『葉隠』を読めと薦め、お雇い外人の小泉八雲を読めと薦める。名著『日本の面影』を読めば、奴なら、きっと感動するだろう。

横で聞いていた、Kは、「彼は、カントクの格好のお客さんになりますね」と笑う。イワは、「フランス人と話していても、カントクは同じことをいっている!」と笑う。

フランス人にルーブルの話をしたところで、何のインパクトもない。自国文化を語れない人間は、尊敬の対象にはならない。愛国と国粋は違うのだ。自国のアイデンティティを主張できてこそ、愛国。他国を排斥するおバカが国粋。

日本文化を学び、そんな話をマチルダができるようになれば、彼はきっといい相手になる。

浜松町さん、ハマを始め、オレの風邪っぴきを心配してもらい、よわっちいコメントに心配してもらい、本当にありがたいづくしの昨夜。

おかげで、少し元気が出た。鼻かぜは、しばらく、ぐずつきそうだが、よわっちいオレの心にも、もうすぐ、きっと、新しい風が吹くだろう…。