秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

サムライマインドの白木蓮

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ちょい数週間前にとった、幸せカップルと昨夜、その片割れイガが、Redにいて、スーツ姿のオレを初めて見て、これは貴重だからととった写真。

昨日は、午後から神奈川の某所で、ある仕事の打ち合わせ。コンセプトワークはすでに終わっていて、そのプレゼン。超厳重管理の施設で、内部はまるで迷路。秘密保持契約を前提とした仕事なので、一応、スーツで決めていく。

銀座の東映本社で会議のときや試写会のときは、最近、スーツで顔を出す。

そうしたこと以外、普段は、ほとんどスーツを着ることもないが、30歳から40歳前半までは、毎日スーツ姿で仕事をしていた。会社勤めのときは、役員だからやむえないにしても、独立してもスーツ姿で、よく得意先の社長や担当者に、クリエーターでスーツ姿の人は、初めてだといわれたものだった。

当時は、一つのポリシーがあって、撮影現場以外は、スーツと決めていて、社員にも演出やっているからと汚い格好はするなと厳しく指導していたのだ。スーツではなくてもいいが、企業のえらいさんに会ったときでも、恥かしくない格好をしろと叱りつけていた。

いまはそうでもないが、ちょい前まで、テレビ関係や映画関係のスタッフは、そういう仕事だからといかにも現場という、きたない格好をしている連中が多かった。現場にきても、酒の臭いぷんぷんという常識のない輩が、まだまだいたのだ。

クライアントや得意先の担当者がいるところで、それをやるのは、業界の常識が非常識。オレは、いまでもそう思っている。毎日サラリーマンのような格好をしろといっているのではない。初対面のときや、組織と組織の責任者、担当同士で、顔を合わせるときは、きちんとサムライをやれといっているのだ。

それ以外のところでは、崩れてもいいが、そこにもクリエーターマインド、センスを示せといっている。

ファッションはその人の思想だし、生き様だ。TPOにあわせて、そのときそのときの自分の矜持を示すことができてこそ、クリエーターというもの。それがない奴は、トップにも、一流にもなれない。

そもそも、ネクタイというのは、昔、騎士たちが戦場へ赴くとき、妻や恋人、愛人から贈られたスカーフが原型。それを首にまとい、男たちは、死を覚悟の戦に出た。男は、サムライマインドを示さなくてはいけないとき、外見は重要なのだ。

とはいっても、オレは生まれてこのかなた、人生で一度もネクタイをプレゼントされたことがない。自分の服は、自分でチョイスするからだ。女性と一緒に買い物にいき、見立ててもらうことはあったが、知らないところで女性がネクタイを買ってくれ、それをプレゼントされるといったことがない。

ある程度付き合っていると、オレが自分の服へのこだわりがあるがわかるから、それ以上踏み込んではこない。オレも女性に服をプレゼントするときは、必ず、相手の女性を同伴して買い物にいく。

オレはもう白木蓮のように生きたいと願っている男だから、そうしたことをしたからといって、それが恋や愛に即つながるとは思えなくなってしまった。

無理クリ、自分の思いを押し付け、押し切れるほど若くはない。だが、まだ40代前半までなら、そのチャンスはあるし、エネルギーもあるはず。

そうした恋を青空の下、眺めている方が、白木蓮には似合っている。