稽古場探し
ワークショップの場所探しで難儀しているという話を芸能プロダクションの女社長Oさんからもらう。
ならば、以前、別のワークショップで使っていた、超格安の港区赤坂支所のホールを使ってはと提案する。
なにせ、Oさんは社長さん。オレのアドバイスもあって、ワークショップやるからには、それなりに事業としても将来成立するように工夫しようと算段している。
が、週2回のレッスンを定期的にやり、諸経費やオレのギャラなどを考えると、草々、高い会場費の場所は使えないという計算になったらしい。また、昨今の役者は、地道なワークショップに参加しない傾向があるらしく、いついつ舞台の公演があるとか、映像作品に出演できるとかいう付録がついてないと、集まらないらしい。
まったく、修行や鍛錬といった言葉が、役者から消えている。オーディションを受けていれば、いつかチャンスがくるくらいにしか考えていない。あとは、仲間内の素人芝居に毛が生えたような舞台をあれこれやって、それで役者をやっているような気になっている奴らばかり。
これでは、小劇場やマイナー劇団から、いい役者で出て来るはずもない。育つわけもない。
そうは思っても、とりあえず、オレの作品に出演し、ある程度、オレが眼をかけている役者には、きちんとした訓練をもう一度させ、無駄な汚れをとり、もうワンステージ上の芝居ができるように、レッスンはつけてやりたい。これは、大分、前からの約束でもある。
ということで、赤坂の区民センターで使用者登録をしてくる。実は、赤坂区民センターはいいスペースだ。みんなわかっていて、空きスペースをとるのは、苦労するが、劇場ホールもリハーサル室もあり、なかなかのスペース。
案の定、11月末まで空きがない。12月の予約は、抽選順位で取りたい日、部屋が決まる。それでも、とりあえず、船出するためには、登録が必要ということで、登録する。
とりあえずは、少人数、オレが声をかけている役者たち、花塾のメンバーから始めるのも悪くはない。稽古場代は頭割りすれば、たいした金額ではない。バイトや仕事の都合との兼ね合いもあるだろうが、とりあえず、コワな奴だけ集まって、始めようと思う。
新作の手配や資金準備や企画打ち合わせだと、仕事の仕込みばかりのこの数ヶ月。うちの作品の売り上げも、前年比にくれらべ、半分程度に落ち込んでいる。そんな中で、芝居をやってる場合ではないというのもあるが、これも次への試金石として、取り組むべきことだと思っている。
昔、大学を卒業して、劇団を始めたとき、着たきりすずめのヤッケを着て、雨のそぼ降る寒い冬、新宿御苑で地下鉄をおり、厚生年金会館の裏手にあった、「アート・シアター宿」の管理人受付にいったときのことを思い出す。それからしばらく、そこがオレの演劇の拠点となった。管理人のMさん、オーナーのIさんにも大事にしてもらった。
いまは、そこも駐車場に変っている。
何の保証もなく、何の確証もなく、稽古場を押さえ、大学近くの早稲田奉仕園で入団試験をやり、最初は、役者一人で始めた劇団だった。その3ヶ月後再試験で、四人を採用し、やっと劇団らしい体裁になった。そして、年2回の公演を5年間続けて、学生時代からすると8年続けた劇団を解散した。
高校演劇を指導していたときから、いつも芝居に向かいときは、始めは、オレひとり。芝居をやるという自分の欲と熱意しかなかった。
なにかと苦しい時期、それをもう一度やってみようと考えている。
ならば、以前、別のワークショップで使っていた、超格安の港区赤坂支所のホールを使ってはと提案する。
なにせ、Oさんは社長さん。オレのアドバイスもあって、ワークショップやるからには、それなりに事業としても将来成立するように工夫しようと算段している。
が、週2回のレッスンを定期的にやり、諸経費やオレのギャラなどを考えると、草々、高い会場費の場所は使えないという計算になったらしい。また、昨今の役者は、地道なワークショップに参加しない傾向があるらしく、いついつ舞台の公演があるとか、映像作品に出演できるとかいう付録がついてないと、集まらないらしい。
まったく、修行や鍛錬といった言葉が、役者から消えている。オーディションを受けていれば、いつかチャンスがくるくらいにしか考えていない。あとは、仲間内の素人芝居に毛が生えたような舞台をあれこれやって、それで役者をやっているような気になっている奴らばかり。
これでは、小劇場やマイナー劇団から、いい役者で出て来るはずもない。育つわけもない。
そうは思っても、とりあえず、オレの作品に出演し、ある程度、オレが眼をかけている役者には、きちんとした訓練をもう一度させ、無駄な汚れをとり、もうワンステージ上の芝居ができるように、レッスンはつけてやりたい。これは、大分、前からの約束でもある。
ということで、赤坂の区民センターで使用者登録をしてくる。実は、赤坂区民センターはいいスペースだ。みんなわかっていて、空きスペースをとるのは、苦労するが、劇場ホールもリハーサル室もあり、なかなかのスペース。
案の定、11月末まで空きがない。12月の予約は、抽選順位で取りたい日、部屋が決まる。それでも、とりあえず、船出するためには、登録が必要ということで、登録する。
とりあえずは、少人数、オレが声をかけている役者たち、花塾のメンバーから始めるのも悪くはない。稽古場代は頭割りすれば、たいした金額ではない。バイトや仕事の都合との兼ね合いもあるだろうが、とりあえず、コワな奴だけ集まって、始めようと思う。
新作の手配や資金準備や企画打ち合わせだと、仕事の仕込みばかりのこの数ヶ月。うちの作品の売り上げも、前年比にくれらべ、半分程度に落ち込んでいる。そんな中で、芝居をやってる場合ではないというのもあるが、これも次への試金石として、取り組むべきことだと思っている。
昔、大学を卒業して、劇団を始めたとき、着たきりすずめのヤッケを着て、雨のそぼ降る寒い冬、新宿御苑で地下鉄をおり、厚生年金会館の裏手にあった、「アート・シアター宿」の管理人受付にいったときのことを思い出す。それからしばらく、そこがオレの演劇の拠点となった。管理人のMさん、オーナーのIさんにも大事にしてもらった。
いまは、そこも駐車場に変っている。
何の保証もなく、何の確証もなく、稽古場を押さえ、大学近くの早稲田奉仕園で入団試験をやり、最初は、役者一人で始めた劇団だった。その3ヶ月後再試験で、四人を採用し、やっと劇団らしい体裁になった。そして、年2回の公演を5年間続けて、学生時代からすると8年続けた劇団を解散した。
高校演劇を指導していたときから、いつも芝居に向かいときは、始めは、オレひとり。芝居をやるという自分の欲と熱意しかなかった。
なにかと苦しい時期、それをもう一度やってみようと考えている。