秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

泥酔

自主制作の打ち合わせであれこれ昼間から飛び回る。

犬も歩けばで、自主制作の流れから、芝居公演についても、有益なアドバイスをもらう。

台本の手直しと主演女優のキャスティング、それに俳優座劇場が確定するれば、費用面や後の段取りは、なんとかなるような展開が見えてきた。予定通りに進めば、舞台を突破口に映画化という段取りもつけられる。

昨日は、そんなこんなの結構重要な打ち合わせが続き、夕方からは、打ち合わせの流れで飲んでいたので、6時頃には、ほぼできあがってしまっていた。乃木坂に戻り、千鳥足で、ハンナのばばあの店に顔を出し、あまり飲めそうにないので、デカンタに半分の真澄を飲む。

客もいなかったので、ばばあと二人、カウンターにすわり、民主党鳩山が連呼した国民主権について語り合う。「死ぬ前に、政権が変わり、国民主権の時代がみえてきた。よかったじゃないか」とオレ。ばばあ、いつも口癖のように、「こんな国を見るために生きて来たんじゃないのよ…」とこぼしていたからだ。

戦後、農水省に入省し、農家の女性の過重労働からの解放を願い、大臣官房秘書室に勤務しながら、60年安保にも参加した女だけのことはある。それが、64年の歳月を経て、憲法の精神に基づく政権の誕生を、高齢ながら、眼にできたことは、よかった。長生きはするものだ。

「ばばあは、オレより先に死ぬなよ」というと、「それじゃ、私が100歳以上生きなきゃいけないことになるじゃない」というから、「そんなに時間はかからないさ。オレがそうそう長生きしないかもしれないだろ」というと、「やめてよ。物ごとには順番ってもんがあるのよ」という。

自分の書きたい本や仕上げたい映画、舞台がやれれば、あまり生きることに未練がないオレのことをどこかでわかっているのだ。そんなバカな話をしてしまったのも、完璧に泥酔していたから。

その足で、Redに行ったときには、もうダウン寸前。昨夜のRedでのことは、あまり記憶にない。上の階にいるネーリストのKが、いつもオレが店にいると声が聞こえるというから、大声でKを呼ぶ。するとスルスルと現われる。エリも久しぶりに顔を出す。そのうち、カリスマ、トモも現われて、仕事終りのメグも参加し、下でカラオケ大会。Kの相談役というおじさんも登場。

酔った勢いで、『雨上がりの夜空に』を熱唱していたが、みんなとどんな会話をしていたのか、覚えていない。さすがに、もう飲めんという感じで、退散。それはそうだ。午後4時くらいから飲み始め、午前1時過ぎまで飲んでいたのだから、ダウンするのは当たり前。

ここまで飲んだのは久しぶりだ。いくつか壁になっていたものが取り除かれ、ふと気が抜けたのかもしれない。まだまだ、闘いは続くが、たぶん、ちょい先が見えたところで、気が緩んだに違いない。

そういえば、Redのカラオケに、『恋したら』が入っていた。『忘れられたBIG WAVE』が、なぜかない。
ないとなると、益々、耳から離れなくなってしまった。