秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

本の話

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今夜は、レディースデーか?

マリが久しぶりにRedに顔を出すと連絡をくれた。Ryokoが、生まれつきの虚弱もあり、若い頃のやんちゃもあり、胃痙攣のあと、またまた体調を壊していたが、回復しました。ごはん連れてってくださいの連絡をくれた。ほぼ、一ヶ月ぶり。ならば、コア常連も何人かくるかと思い、Redに顔を出す。

快気祝いではないが、少し早めに涼子と事務所で落ち合い、ベティにも食わせたいと話している、オレ得意のニョッキのグラタンでバローロを空ける。メシらしいメシがしばらく食えなかったRyokoは、量は少ないが、以前のようにがっつり食う。物が食えれば、まずは大丈夫。

奴は横になって休養している間、オレのブログやRedのブログを遡って読んでいたらしい。マリもブログを欠かさず読んでくれている。二人がじっくり話した回数は少ないが、そんなこんなのつながりで、Redに行くと、マリ、マリの同伴の友人、Ryokoとガールズトークが始まる。

レディースが集まるときには、絶対といってほど顔を出す、女好きIが来店。ガールズトークが始まれば、女たちだけで盛り上がらせるのが、男の礼儀。オレは就活中のIの隣に座り、近況など聴く。9月リストラを前に大変なのだろうが、いつものひょうひょうとした雰囲気は変らない。就職決まったら、お祝いやろうぜ。それまでがんばれよなと、そっと励ます。

続いて、ネーリストのKさんが池袋店の部下を同伴。こちらも女性二人。このところ男子体育部室ノリがとんと影を潜めている。しばらしくして、ヒロが登場。やっと男が3人。Iが帰ったあと、Youが連絡した、イタリアンにしては、しゃべりの超遅い、人気急上昇中のアルベルトが現われた。

マリもRyokoも初対面。だが、ブログを読んでいるから、これがオレお薦めのイタリアンとすぐにわかり、打ち解ける。

男子コア常連がいなかったのは、それはそれでよかったのかもしれない。レディース同士あれこれ話、携帯の連絡先の交換などしている。

女性が女性同士で盛り上がれる店、女性がひとりでも安心してこれる店。それは店として大事なことだ。ちょうど、客の少ないこの時期、店自慢のハンバーグやステーキがキャンペーンで激安になっている。それも女性には魅力だろ。Youに聞けば、サイドメニューも増やすらしい。

女好きIではないが、不景気によるリストラや採用控えで、トモやヒロのような30代前後世代に仕事の皺寄せがいっきに来ている。上は空白の10年で数が少ない上に、リストラなどで、人員が減っているからだ。40代前後と、飛んで30代前後は、まさに仕事に追われている。妻子持ちは、子どもの教育費や家のローンやなんやで、遊びにつかえる金も少ない。

女性たちも先行きに不安がある。ファッションや化粧、痩身美容と自分のためにお金を使わなければいけないことも多い。若い女性の一人暮しは、そう使える金はないのだ。

そんな客の現実に応えるような工夫が必要だろうとYouに話す。いまはなんとなく、コア常連を始め定例で来ている奴らもいるが、そのうち、年齢を重ねれば、所帯を持ち、子どもを生みと、こうした店にひとりで、あるいは仲間とふらりと立ち寄ることもできなくなる。

いまから若い世代、女性客を掘り起こし、ファンになってもらう取り組みをしておかなくては、やがてジリ貧になる。現実に、この不景気で7月は、オレの眼から見ても客が少ない。

ひとりで大変だろうが、仕入れを工夫する、時間を有効に使うといった努力がいる。価格にバリエーションをつけ、金のない若い連中が気軽に来店でき、リピーターになれるアイディもいる。ライブや映画鑑賞会もいいが、女性が喜ぶような痩身美容の集まりなども考えればいい。Kやマリ、Ryokoのように、その世界で仕事をしている連中もいる。店の創意工夫で客を集めることだ。そうすれば、土曜日営業でも歩留まりは悪くならない。

で、Youを始め、ヒロにも、夜間フライト禁止令を出す。夜間フライトとは、店が終わったあと、You、トモ、ヒロの若手で六本木や銀座に繰り出し、飲み屋やクラブで知り合った女性陣に声をかけ、店の案内をやるというもの。ま、集客活動? ナンパリハ?

だが、このご時勢、そんなことしていても時間がもったいない。ナンパ風に人を集めても、定着は難しい。そんな労力と遊びをやっているなら、創意工夫で客をつくる努力をした方がいい。Youもマジ、オレの話を聞いていた。

世は無常。いつまでもいまの生活があるわけでもなく、いつもまでも、いま目の前にいる人がいるわけでもない。明日、事故に遭ったり、災害に巻き込まれたりしないとも限らない。ささいなことで、生活が激変することもある。すべてには限りがあり、変っていくものだということが自覚できれば、今日一日、いまを懸命に生きようという気になる。後悔したくないという気持ちが生まれる。」

後で、あのときああしておけばよかった、あの出会いをもっと大事にしておけばよかった、怖れず飛び込んでおけばよかった。そんな悔いを残さないために、今日やれることをやるという行動が大事なのだ。そうすれば、物事を先延ばしもしなくなる。

本の話がある。ある男が、いい本だと薦められ、本を買った。しかし、仕事が忙しく、遊びもしたく、本はずっと書棚に置かれたままだった。そして、男はなくなった。本は読まれないまま。しかし、それは、男が本を読まなかったのではない。読もうとしていなかったのだ。

目の前のいろいろなことがあるから、読めないといっていたのは、男の言い訳だった。読もうと思えば、読めたはずなのに、その努力を男はしなかった。そして、男は、死の床で後悔した。ああ、オレは、あの本も読んでいなかった。そればかりか、ほかのいろいろなことも、言い訳をしてやろうとしていなかった。

もし、オレにいま時間があれば、読まなかった本を読み、やろうとしなかったことを全部やって死にたい
…。

未来をつくる力は、未来にあるのではない。今日という一日の中にあるのだ。その積み重ねの過去の中にあるのだ。