秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ルーティンワーク

東映のCプロデューサーから丁寧な御礼のメール。

この間、無理くり低予算と短期間の間に仕上げた、都内中小企業支援策DVDの御礼。数日前に、参画団体、支援団体が800名集まり、発足会と上映があり、大反響だったらしい。

もともと、日頃世話になっている東映への恩返しと考えて受けた仕事。東映の岡田会長は、東商の会頭をつとめていた時期もあり、オレ自身、人権映画の撮影で、その伝手をつかい、協力してもらったという経緯もある。ここで一肌脱がなくては、男がすたる。それが、いい反響で、東映の面目躍如だったのはなによりだ。

わざわざ、成果を知らせてくれたCプロデューサーに感謝。

同時期に進めていたオランダに本社のある外資系販促会社の販促ツールも、昨夜のうちにあらかた仕事を終え、今日のプレビューで、直しもなく、喜んでもらえた。こちらも、長い付き合いの同年の社長の顔を立てられればと引き受けた仕事。秀嶋組の音効、Kの音楽がつけば、大喜びしてもらえるのはまちがない。

いま、オレが進めている仕事の方向性とは多少ことなるものの、この間も書いた、FOR THE ONEの精神で取り組んで、それぞれに喜んでもらえたことは、何よりだと思う。

日々のルーティンワークを大事にする中からしか、次の仕事、オレが目指している仕事へとつながっていかないと、オレは確信している。人を怠ってはならない。人を滞らせてはいけない。人をおろそかにするような奴に、人を感動させたり、問題提起をして考えてもらえる作品などつくれるわけがない。オレは、どこかで頑なにそう信じている。

そのために、自分の表現を結実させるのに、遠回りし、時間がかかっても、いま目の前にある現実から、決して引かない。逃げない。そこの不利不足があっても、そのことで不平不満を持つことはない。天の時、地の利、人の和が整えば、おのずから道は開けると信じているからだ。

事をあせって、獅子奮迅の働きを見せても、自分の内実と周囲の協力と環境が整わなければ、人は何事も成すことはできない。自分に、他人に振り回され、かえって表現へ向かうエネルギーをそがれることもある。コツコツ、淡々と、自分の信念を信じて、いまを生き抜くことが、自分の願いを実現する最初の一歩なのだ。

今週始めから、大阪撮影の編集作業の傍ら、Kプロデューサーから頼まれている東映教育映像の企画コンペ資料作成のために、資料を読み漁っていた。その中で、家庭を失った、あるいは、自ら家庭を捨て、流動化した少女たちの悲惨だが、逞しい姿をルポルタージュした本を読んでいた。

いま、オレが酒豪編集者Rに投げかけている企画、オレがコツコツ書き続けている小説に通じる内容で、ふと、中断していたストーリーの新たな展開を思いついたりする。

日々のルーティンは決して無駄にはならないのだ。オレを導く何かの力を感じる限り、オレはそれを決して疑わない。そして、そうした出会いを与えてくれている。

それに気づけるか、気づけないか。生かすか、生かさないかは、すべて本人次第。意欲と情熱、そして、利他ゆえの怒りがあれば、何かが人をそこへ導いてくれる。自分のいのちを燃やす場を与えてくれる。

自分を、社会を、世界を変える力は、そこにしかない。