秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

傷ついても癒せる場所はきっとある

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

Redでの手作り広島焼き飲み会での、お好み焼き屋のオヤジ、ハマ。

昨日は、酒豪編集者Rと企画書の打ち合わせ。50肩がどんより重く、気力が続かない。書き終えようと思っていた箇所まではたどりつけず、書けている箇所まで、Rに初見で原稿を読ませることに。

ならばと、Rに原稿を読んでもらっている間に、マッサージと決め込んだ。「打ち合わせで、原稿読んでる間、著者がマッサージしてるなんて、始めて」。確かに。それができることに安心している、オレのRへの甘えだが、時は金なり。

本は、名実ともに、二人の共同作業になっている。時間をかけ、話し合い、丁寧に積み上げようとしている。執筆に入れば、おそらく、相当早く初稿を上げられる気がする。今月中には、がっちり企画をまとめられるところまで来た。オレの体調がよければ、もっと早く進んでいたとは思うが。

で、ハマのお好み焼会まで、ちょい時間があったので、ハートin乃木坂で、ビールと軽いつまみをとり、それからRedに向かう。

いってみると、ハマが、手際よく広島焼きを焼いている。Oちゃんが、いつもオレに相談している、息子のYを連れてきている。それに、イモトことY。オレがいつもトミーといい間違える、タミー(有名玩具系会社の息子なので、オモチャのトミーとつい、いっしょくたになる)。それに、初対面以来のRYがいた。

Oちゃんが息子を連れてきていたのは、きっと、オレに会わせたたかったこともあったはず。Rは、ブログも読んでいるし、オレからも話を聞いているから、事情を察して、すぐに息子の相手を始める。Oちゃんの気持ちを読んだオレも、息子のYが集めてきたびわの青い実を握ると、遊ぼうぜと声をかける。イモトことYも、いっしょになり、びわの実であれこれあそびを考えて、あそぶ。タミーもオレが抜けた後、相手をしていた。たぶん、なんとなく、Oちゃんの息子のために、自分たちが、してやらなければいけないことがわっていたのだと思う。またまた、いい奴ら。

ベティも買ったばかりのDIESELのショートバックを手に登場。少し遅れて、Oちゃんの息子とも顔見知りのイガが、得意の駄菓子を袋いっぱいに持って現われる。息子への手土産だ。相変わらず、気がきいている。

その後、ヒロと、トモが参加し、地下でカラオケ。丁度、昨日は、近くの青山葬儀場忌野清志郎のお別れの会をやっていた。で、彼のヒット曲『雨がありの夜空に』でスタート。怒涛のようなカラオケタイムに。盛り上がっている頃、「ね、ね、ね、カントク聞いて!」のUと、相変わらず艶やかなファッションのAが同伴して参加。

初対面以来のRYとは、エロ話で盛り上がり、Red変態クラブ正式会員登録を許可した。そんなバカ話で入り口をつくり、ずいぶん来なかったじゃないかと水を向けた。あれこれあって、半年近く、精神的にひきこもり状態だったらしい。それとなく、事情を聞く。

Redの客に限らず、遊びの輪の集まりで、何かで顔を出し、いい感じになっていたのに、長く遠ざかり、そして、また顔を出す。そういう奴は、きっと生活の中で、何かがあったからだ。心の繊細な奴ほど、そうしたことがよくある。それで、気になった。例のオレのおせっかいで、オレに話して、思いを吐き出して、それで、ここに居場所をみつけてくれればと思ったのだ。

RYは、見かけは、遊び人風だし、大人の色気がある。がっつり仕事もやるタイプ。オレと同じ歳の恋人がいたせいか、ドンと落ち着いても見える。が、実は、心根は古風な女。小心な臆病者。気が弱い面がある。と、オレは読んだ。一度、他人を信じれば、とことん信じるし、尽くす。だから、どこかで、それが裏切られるのがこわくて、人に対してガードをしているところがある。そのガードを開けて、心を開いたのに、手ひどく、裏切られたられ、傷心していたらしい。

オレは、心に傷を負って、脱社会化した思春期の子どもたちの、ひきこもりの辛さをじかに聞いたことがある。それはそれは、辛い。精神的にも不安定になるし、親にもストレスをかける。それが、また一層本人を辛くもさせる。救うのは、心ある第三者なのだ。心を許せる先輩、ひきこもりを責めない気のいい年長者だ。幸い、RYにもそういう人がいてくれたらしい。それでなんとか、立ち直れた。

「これからは、気持ちがめげたときでも、元気なときでも、ここにこいよ。笑顔にしてくれる、だれかが、きっといるから」。いなければ、誘えばいい。だれかが必ず顔を出してくれる。

カラオケで盛り上がっている途中、RYが本当に、心からの笑顔で、「楽しい!」と何度もつぶやいた。そうなのだ。こわがることはない。人は生きていく中で、人とかかわりながらでしか生きられない。そこには、自分を傷つける者、裏切る者もいる。しかし、それを糧に変えられるときが、きっとある。傷ついても、心を癒せる場所はきっとある。

RYよ。「楽しい!」子どものような笑顔でそうつぶやくお前の顔を、いとしいと思ってくれる人、お前の痛みに共感してくれる人、よかったなとよろこんでくれる人がきっといる。その子どものような笑顔を忘れそうになったら、Redの常連たちの顔を思い出せ。