秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

美しき日々

高校生の頃だった

「あの素晴らしい愛を」のコーナーでも書いているが

北朝鮮と韓国との間で戦争が始まった というデマが流れたことがある

オレの高校生の頃は まさに冷戦時代

それに 米軍の基地が まだ 板付空港 現在の福岡空港にあった頃だったし

奈多 西戸崎には 自衛隊の演習場があった

その当時 オレの住んでいた春日原には 米国陸軍の基地があり

アメリカの兵士や軍の車両が身近にあったから

そのデマは真実味があり 大きなショックと不安 そして怖れを感じたことを

覚えている

ベトナム戦争もまっさなかで 南北に分断された隣国での戦争は起きても

おかしくない状況だったのだ

まして 福岡は朝鮮半島と 玄界灘を挟んで すぐ近くにある

いまでは 博多港から毎日 韓国の釜山まで定期高速船が走り 数時間で本場の焼肉が

食える距離なのだ


昨日 北朝鮮テポドン発射という 防衛省誤報を流して マスコミは一瞬大慌てになった

が 結局 軽薄短小防衛省の誰かが パニックって 防衛省自慢の大規模レーダーガメラが 

隕石をそれと誤認したデータを 米国衛星レーダーとの照合もせずに 報道 自治体に流してしまった

もともと 制服組と官僚組との間で 省内の権益を巡って いろいろとにらみ合いがあり 

また この間の田母神発言問題にみられるように 

陸海空 自衛隊の中は縦割りで分かれ その中にも 国粋的な田母神のようなアホなどを

支持する派閥まであるから 意志決定 連絡系統が 形ばかりで 実は バラバラ

いざというときに きちんと対応できる素地などないのだ

防衛省がきちんとした組織の体をなしていないのは これまでのさまざまな不祥事 事故をみれば

わかる

今回は 危機管理の面で まさに それを露呈した


戦争をやる能力ではなく 戦争を防ぐ能力の高さが 国防の基本にあるのだ

それがわかってない アホなネオコンが この国には多すぎる


つまり 情報戦略において つまり情報収集能力と分析 そして その伝達系統の確かさが

的確な対応を生み その精度の高さによって 戦争を回避する施策 つまり 知恵が生まれるのだ

その一点において 防衛は その質が問われるのであり なんやんかんやん 軍備費ばかりを

費やしたところで それができる組織 人材がなければ 今回のように アホな誤報をする


おそらく なれない緊急事態に きちんと対応しないと 自公独裁政権が せっかく攻勢に出て

いる政治状況を 反故にしかねないという焦りがあったのだ

現場の情報関係スタッフには 官邸や内閣官房から 相当の圧力と

それによるストレスがかかっていたに違いない


くだらない選挙のための圧力で オロオロさせられた人間が 思わず ボタンを押してしまった

おそらく それが真実だろう


そもそも これまでの例にもあるように 北朝鮮弾道ミサイルが 国内のどこかに落ちる可能性は

極めて希薄 

もちろん それに対応するための準備は大事だが 今回のミサイル発射に関しては

政府の動きが必死 過ぎる


景気はどん底なのに WBCで お祭り騒ぎでハイになり 

花見の時期に定額給付金と高速道路乗り放題 というオマケをつけ 

内閣支持率がやや回復したところで 北朝鮮のミサイル発射となった


どの国 どこの独裁政権もそうだが 国内に問題があれば どこか外に敵をみつけ それに国民の

関心を集め 危機を煽り その危機を乗り越える成果を示せば 不満だらけだった国民意識

簡単に時の政権になびく それは 独裁政治の基本にある常套手段

戦時中の日本もそうだし 現にいま 日本人の多くが目の仇にしている 北朝鮮も同じ

ついこの間の ブッシュ政権も全く同じことをやっていたではないか


社会不安をそうした形で どこかに転換したり すり替えをして 国民生活を真に豊かにした国は

どこにもない 


それどころか 政治的パニックが どのような悲惨な戦争を起こし それによって

罪なき人々が 市民が 女性 子ども 高齢者という 力なき人々が どれほど犠牲になり

深い傷を負うか 

それは先のアフガン イラクを見てもわかるだろう

アフガンの イラクの子どもや女性 高齢者たちが

旧ユーゴ クロアチアの子どもたちが いま どんな心の傷を抱えているかを見ればわかる

沖縄 長崎 広島をみてもわかる


この時期 白木蓮が終わると 桜になる そして いろいろな花も咲き誇り つつじの季節が

終わる頃に 深い 豊かな新緑が来る そして 梅雨のアジサイが過ぎれば 鮮やかな 空と海の

風景がある そうした 日々の身近にある美しさを 美しいと心の底から思える心を大事にしなくては

ならない

そうした日々の感動を守るには 愚かな政治や軽薄な情報の背後にある 美しき日々を 破壊しかねない

政治のウソ 情報のウソを見抜く力を養うことだ


おだやかであること 愛を感じ 感じられる自分であること

だれかのことを思う気持ちを 持ち続けること

不安や当面の課題 そして 焦りや落胆に襲われ パニックになりそうな自分がいたら

それを思うことだ


圧力の中にあっても 生活不安の中にあっても それを忘れない心が 愚かな道へ進みそうな

自分を抑止してくれる