秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

中年オヤジ同士のハグ

昨夜は この間のオレ試写会に参加できなかった ジャズつながりの博報堂のYさんと制作会社社長のK

さんと久しぶりにコレドで飲んだ 年上と飲むのは なんとなくコレド そんな気がしている

Yさんが息子の合格祝いで Redでジャズセッションをやってくれたときに 何か相談ありげだったので

声をかけ 昨夜の集合となったのだ


一足先に店にいくとオーナーのMさんと入魂らしい有名ベテランバイプレーヤー俳優のHさんが飲んでい

る 一瞬 あれれ ここは撮影所か… と錯覚する いやいやここは撮影所ではない バーだ

どうも役者さんの顔を見ると 仕事モードになってしまう悪い癖


博報堂のYさん 古くから映画・テレビ制作にかかわっているKさんが来れば 映画や制作の話になるのは

わかっていたから ちょっとまずいなと思いつつ ま いいかといつもの礼儀知らずを押し通した


博報堂のYさんは最近思うところあるらしく 広告宣伝の立場でも社会に貢献できることはできないかと

模索している ジャズ仲間でそんな話を真摯に聞いてくれるのは トランペッターでもあるKさんしかない

映画・映像の下請け制作会社の経営は大変だ にもかかわらず Kさんは社長として社員の行く末を考え

ながら よき作品づくりはできないものかと闘っている


彼らがそう思うのにはわけがある

実は オレのジャズ先輩仲間連中は 団塊かすぐその下くらいの連中が多い そのせいか 大学を出ても

就職できなかったとか 組織に入っても異端児的だったりする人が多い

実はYさんもKさんもバリバリの元過激派 Kさんは何度もパクられているから オレたちは練鑑(練馬鑑

別所)卒と冗談をいう

オレも高校時代は黒ヘルを被り 大学に入ると革マル派にレポ(監視)されていた人間だから Yさんの

社会貢献プログラムをどうするかという話が一応終わると 学生運動の話や団塊世代の弱々しさをネタに

酒が進む そして とうとう映画の話になってしまった オーナーのMさんはハラハラしていたにちがい

ない

オレは宮台と二人のときよくやる 無政府主義論やテロの話をしてしまい バクーニン クロポトキン

大杉栄 北一輝 そして 2.26へと突き進んでしまった 北が実は無政府主義者だったことがほとんど

知られていない

だが 中曽根が 小泉が日本をダメにした論は 共通 ついにはテロをやるべきだったという危険な話

にまでなり オレもいい感じになっていたから ええい 語ってしまえと酔う覚悟だったのだが

団塊の連中はメシを食うのも早いが 酒のピッチも早い あれよあれよと二人はベロベロになり

オレの前に まだ Mさんの奥さんにお代わりしたばかりの角のハイボールがあるというのに 次行こう

となる ほんとにせかせかした世代だ


で Redへ が しかし 店頭の明かりが消えている まだ 10時半過ぎだというのに

なんでも貸切パーティがあって 閉店時間を早めたらしい お手伝いのEもいたが 疲れ切った様子

そこをカントク権限で 無理に座らせてもらう もうベロベロの二人だから オレも一杯飲んで終わる

だろうと読んでいた 実際 その通り

Kさんとジャズの集まり以外で こんなふうに語り合ったことはなかったのだが 実に楽しかった

不思議に あのコレド大常連のマエストロSさんと同じことを言われた

「やれる! ぜったいに秀嶋さんはやれる!」 オレがやりたいと思っている芝居そして映画のことだ

何度も会っているせいか 誉められたことのないYさんにも「この人 すごい人ですよ」と あれれ

誉めらちゃった

楽しい夜だった もちろん また誉められたからだけど なんか 人 社会 世界のために何かしよう

微力でも何かに尽くそう そう考えている人との出会いは楽しい

中年オヤジ三人組みは店を出ると よかった また会おうと 互いにハグしあった

それが 自然だった 日本の中年オヤジ仲間でそんなことする奴はいない

が なぜか それが恥かしくも 照れくさくもなく 思わずそうなった

若いバカねぇちゃんが見れば 何 オヤジ 気もいなどと言われる違いない

だがな 人が心を通い合わせるとは そういうことなのだ その喜びを知らない若いお前らの方が哀れだ


昨日の朝は Mちゃんにメールで怒られた いや キレられた

滝にうたれて修行してきて といわれたから 修行せねばならぬ

その修行の前の夜に こんなすてきな時間をもらった