秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

よろしこ

よく考えたら、ぼくのブログには雑記がなかった…


ブログへのアクセスが少しふえて、せっかく来ていただいているのに

雑感やあえて、きちんとした文章にするまでもないような

だが、ちょいといい話や親しい人へ送るコメントを書き込む余裕がないことに

やっと気づいた、なにもしらなかった私です


書庫の「ご案内」などが、最近そうした役割をするようになって

だが、これは、「ご案内」とかではないだろうと気づき

ぼくの好きなジャズのタイトルからとった

酒とバラの日々」という新シリーズを始めることにしました


別のところでも言いましたけど

このブログの売りは「あの素晴らしい愛をもう一度

ですが、ここでは ぼくの好きなもの、こと、人を中心にお話をしていこうと思います


酒とバラの日々、Days of Wine and Roseは、1962年に制作され、翌年日本で公開されたアメリカ映画の

原題でコメディアンで名優のジャック・レモンが広告代理店の営業マンという、当時、花形ながら、仕事

で忙殺され、ストレスを酒に紛らすうちに、アルコール中毒となって、結婚生活からも社会から脱落して

いく姿を描いた作品のタイトル曲でした。


この映画が公開されたとき、世の男たちは、丁度、高度成長期で超多忙な自分たちの姿を重ね、共感し

あるいは、ぼくのキライな団塊世代のお兄ちゃんたちは、そうした家庭を犠牲にしても

体がボロボロになっても、仕事一筋で生きようとするその姿に

いまでは信じられないかもしれませんが、強いあこがれを抱いたのです


しかし、いま振り返って、映画を観ると、これは、あきらかに

いまに続くアルコール依存症の社会的危険性を啓発する、社会派映画です

(すみません。ちょっと人権派系カントクの血が…)

なのに その音楽はとてもムーディーで、ロマンチックなのです


これが、日本で受けたのは、たぶん

60年に日米安保闘争という、信じられないかもしれませんが、学生や労働者が、アメリカに戦争に負け

て、吉田茂総理大臣(いま、総理大臣をやっている、外戚だけど、麻生太郎ちゃんのおじいちゃん)がア

メリカと結んだ日米安全保障条約の自動延長に反対して、岸信介総理大臣(以前、総理大臣をやって、う

つ病でやめちゃった安倍ちゃんのおじいちゃん)の内閣の打倒を掲げ、国会議事堂の周囲を取り囲んだ事

件があって、それが、学生や労働者でもここまでできるぞという想像力を持たせてくれて、自信もあたえ

てくれたけど、結局、安保条約は延長され、アメリカの占領的な支配は変わらないという状態で、がんば

った学生や労働者に、すごい深い挫折感が生まれていたからだと思います。


この映画も、アルコール依存で社会に負けて、挫折する人間の姿を描いていたから


中学生とのときに、ぼくはすでにボサノバとか50年代のジャズボーカル曲が大好きで

酒とバラ…も聴いていて、大好きな曲だったのですが

映画の内容と曲を聴いたときに抱いていたイメージがあまりに違い過ぎ

かなりショックを受けたのを覚えています


ぼくは、オードリー・ヘップバーンの「ティファニーで朝食を」「シャレ―ド」「暗くなるまで待って」

などの出演作品が好きで、それらの作品には、メローな名曲がたくさんあったのです。それと、きっと同

じなはずと思っていたら、テーマ性はあるが、オードリーが出演するような華やかさがどこにもなくて

がっかりしたのです。


ですが、その後の人生を生きていくうちに

たびたび 思うようにいかないことにぶつかり

いつか 酒とバラの日々をやるようになっていました…


いけないことです



時効なので

高校のときから酒は飲んでいたのですが

ぼくは酒そのものは、あまり好きではありませんでした

仲間とつるむときのノリみたいなものでした

大学に入って 東京に来て

遅い電車で帰っていると周りは酔っ払いばかりで

「ああ 東京って ストレスが多いんだろうな。だから、みんな赤ら顔なんだ…」

と思い、将来、こんな大人たちにはなりたくないなとしみじみ思ったものです


でも、1年も経たないうちに

ぼくは一人で縄のれんをくぐるようになっていました


ぼくの酒とバラの日々はそこから始まりした

その折々に感じたことを

ま、こんな感じでなんとなく書いていきますので

よろしこ