秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ツールの問題ではない

FaceBookのおかげか、この間、ハマがコーディネートしてくれた広島焼きパーティで2年ぶりに再会した、某大手音楽事務所に所属するタミ―の近況を知ることができた。どうやら、本格的に音楽の実業に乗り出すらしい。
 
あえて、メールや電話をするほどでも…と思っている関係で、このFaceBookは相手の書き込みや近況コメントを自動的に配信してくれるから、コメント返しがやりやすい。
 
極東のノムリエのハッピーな近況ニュースも知ることができ、正月、7年ぶりに再会したロス在住の知人ともアクセスすることができている。半年ほど前、コンピュータシステムを入れ替えたときに導入したスカイプがFaceBookをやるきっかけだが、実はだいぶ前に、スカイプベトナムハノイ大学に通う若い青年とも知り合っている。
 
ハノイ大学は日本でいえば、東大のような大学だが、そこの日本語学科で日本語を勉強していて、だれか日本人と知り合いになりたいと思って、オレのところにもアクセスしてきたのだ。
 
まだ、1年ほどしか勉強していないので、早い会話や難しい単語は理解できないようだが、日常会話と平易な日本語チャットならかける。
 
英語はできないかと聞いたが、英語はやていない。ならばと、オレがかつて中国人で日本語を勉強してまだ数年という連中と仕事で会話していたときのように、いいたい日本語をより簡単な言い回しに変えて会話している。これが自分の母国語ながら、結構、疲れるのだ(笑)。
 
オレの下手な英語に付き合ってくれてた、幾人かのアメリカ人やイギリス人の知人、友人たちの顔が浮かぶ(笑)。
 
将来は大学を卒業したら日本のIT関係の企業に勤めたいらしい。オレと会話することで何か知識がえられ、役立つことがあればと、しょっちゅうアクセスしてくる彼をほどんど無視しながら(笑)、時々、会話の相手になっている。
 
おりしも、FaceBookを開発した青年のドラマが映画化されて、もう公開されているのではないだろうか。アカデミー賞受賞の呼び声が高い。
 
情報の提供や収集にほとんど金をかけず、国境や民族を越えて世界に共有され、人々の知識欲を刺激し、その国、あるいは狭い生活空間ではえられなかった情報や知恵を獲得する。
 
インターネットが生み出した、他者に開くという、それはプラスの遺産だ。もちろん、インターネットには他者への拒絶、閉塞という負の遺産もある。
 
プラスの遺産とするか、マイナスの遺産とするか。それは、もちろん、その道具を使う人にかかっている。なにを目的とし、なにをよりどころとして、どのように、だれを対象に運用するのか。
 
その意思が明確でなければならないし、日常のコミュニケーションから撤退するためでは、ツールをプラスに生きることはできないのではないかと思う。
 
国内外でやむなく英語を使わなければならないとき、よく思う。基本、自分が母国語として会話している会話の水準が、そのまま外国語になる。会話の水準を決めるのは、その人の素養や教養、知識の幅だ。
 
つたない外国語でも、そうしたものを内包していると、言語を越えたリスペクトが互いに生まれる。それも、その人の持つ人間力によっている。
 
つまるところ、どのように人とかかわり合うかは、ツールの問題ではなく、その人がどういう人生を生きようとしているか、してきたかだ。
 
オバマの一般教書演説に感動することはできても、菅の施政表明演説が言葉の上滑りにしか聞こえないのも、それに起因している。