秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

Nちゃんのこと、Kのこと、そしてSさんのこと

撮影のカット割りの作成作業。
 
夕方、少し前に飲む約束をしていた、旧知のNちゃんと西麻布の韓国焼肉の胡同(フートン)へ。10年ほど前までは、西麻布の通り沿いにあった店だが、いまは裏路地のまさに、フートンにある。
 
しばらく顔を出さないうちに、なじみの店長や料理長が転職したり、異動になっている。
 
ふと気づけば、過去3か月、牛豚オンリーの焼肉屋にいってなかった。オレは海鮮などのある焼肉屋ではなく、コテコテの焼肉屋にしかいかない。一緒に遊んでいる女性が肉嫌いとなると、自然と足が遠のく。そうだったな…と、微妙な納得。
 
Nちゃんが来たのは、通り沿いにあったときだというから、かれこれ20年近くぶりに同伴したことになる。
 
当時は、Nちゃん、ショートカットの茶髪で、400CCのバイクにまたがり、レーシングジャケットを着ていた。といっても、ヤンキーではない。企業のマーチャンダイジングのリサーチャーで、プランナー。外見とは裏腹に、その物腰や考え方は正統派のお嬢さんだった。
 
とにかく、仕事が好き。仕事で出会う人が好き。当時、結婚していて、しばらくして、子どもも生まれたが、一度も仕事から離れたことがない。
 
その彼女が新しいビジネスを考えているという。昔から将来のことをきちんと考える人だったが、これからは老後に向けた準備も考えている。オレのように、極楽とんぼに毎日を生きてる人間には、いつも頭が下がる。
 
帰り際、もう一軒、寄ろうということで、コレドへ。
 
T電力のNさんが、常連らしき女性と話をしている。もうすっかりできあがっている風。Nさん、基本、女性好きに違いない。そばに女性がいると、あきらかに飲みのペースが速い。
 
しばらくすると、またも海坊主が登場。この間、女性同伴じゃないオレを錆びたのではと、心配していたから、Nちゃんも交えて一緒に飲む。と、珍しく早い時間に、日本最高齢映画監督の孫であり、お世話係のKが現れた。
 
どうしてだろう。Kと久々に合うと、いつもだが、互いにハグしたくなる。若い映画人の多い渋谷のバーで出会って、ずいぶんになるというのもあるが、なぜか、Kと会うとなつかしさでいっぱいになるのだ。話も止まらない。気兼ねもない。
 
いつか酔ってしまった海坊主を無視して、高齢監督のこと、映画のこと、男女のこと、これからのこと…と、久々ひとしきり、語り合う。
 
途中、常連の演出家Sさんが倒れ、危篤状態だとオーナーのMさん奥さん、Mちゃんに教えてもらった。その日のMさんのブログに書いてあったらしい。海坊主のKも、心配してMちゃんに事情を聴いていた。
 
この2・3日が山で、危ないらしい。年令63歳は、オーナーのMさんと同じ年。まだ、若い。つい数週間前、おやじジョーク全開のSさんと会い、「お前は、ぶっちゃけ、全開じゃないとお前じゃないんだよ…」と、好きに暴れろといわれたばかり。
 
大学の先輩ということもあり、ごくまれに、体のことを心配したことをいうと、「そんなの関係ねぇ」風に、本気がどうか、生き急ぐようなことをいっていた。初めて、会ったとき見せられた、携帯の待ち受けには、愛犬のかわいい写真があった。
 
なんとか持ちこたえて、オレへのあのシャイないじりと、ふと言葉にするオレへの檄をまた聞きたい…。