秀嶋カフェ繁盛記
原稿書きに追われている。
そんな夜、突然の女から電話。8時半前後に、イワと二人で、秀嶋カフェへ顔を出したいという連絡。ならばと、台本休憩。
一足先に来たベティ、胃腸炎でろくに食事もできておらず、体調も万全ではなさそう。だが、イワのパシリ状態にぶつぶついいながらも、顔を出す。
最近、上司や仕事仲間とうつ病は、詐病か否かの大議論をしたらしい。改めて、うつ病とはなに?と、知りたいと思ったか、イワがくるまで、うつ病の話、さらには、尖閣諸島の領海侵犯問題で、中国人の精神性や文化について語る。
イワがビールをぶらさげて来訪し、宅配で頼んだケンタッキーがきたのかと思えば、TさんとT先生が赤坂すし勘の折詰めとシャンパンを下げて来訪。
そうこうしていると、Tさんが、最近、オレが紹介してメル友になった、ブッティスト仲間のKさんに連絡をとり、Kさんも酒とつまみをぶらさげて参加。
それぞれは、ほとんど初対面同士だが、その壁を感じさせない、いじりとジョークで盛り上がる。
いま、日本で脳神経外科では一番、執刀数が多いという、T先生の名医とは思えない、気さくな人柄。人なつっこい、Kさんの人柄。イワの陽気な突っ込み。人の話を聞かず、自分の話に夢中になる、まるで、ハンナのばばあのようなTさんの天然な人柄。聞き役に徹して、人の会話を楽しむベティの温かさ。
それがうまくかみ合う。マジ話やプライベートな話をすっと会話の中に織り込める。語れる。それは、互いの魂が近いところにあるからなのだ。
死生観から仕事のこと、政治、世界情勢、医療問題…。そして、失礼にも、時折、T先生には、虫取りが似合うと、その純粋さをジョークにする。
半径3メートルの狭窄した視野から人を自由にし、心が自由であるための学習ができるのは、実は、計算や打算の人間関係ではなく、掛け値なしのこうした魂のふれあいなのだ。