やるべき芝居 やるべき仕事
夜、渋谷にある奴の会社が管理しているビルにある、スタジオの下見をすることになっていたのを失念していた。あわてて、飛び出し、渋谷へ。
10名程度のワークショップには最適の広さ。その足で、赤沼と乃木坂で合流。
赤沼というオレが最近、気にしている男優とかつて、オレにしごかれまくった岩田の新旧男優対面。劇団時代の思い出を語りながら、飲む。女優の悠子にも声をかけたが、バイト中。
しばらくすると、どこでいつまで飲んでいるかのメール。が、すぐになじみの客が来たので抜けられそうにないとメールがくる。しょうがない、ならば、店にいって、早上がり
させようと、六本木旅籠へ。
悠子を座敷に上げて、京風で飲む。ここは、幕末か、悠子は芸子か。
志ある男はいくつになっても、女に対しては主役でいないと気が収まらないものだ。
というか、相当、酔いがまわっていた。携帯電話を旅籠に忘れている。
早朝、目覚めるとオレの体の上に携帯電話がおいてある。悠子が電話で店にとりにいって、届けてくれるといっていたのを思い出す。いつもドアの鍵をかけないオレのことをよくわかっている。帰り際、そっと置いていってくれたのだろう。
ちょっといいことがあり、新旧の役者たちと芝居談義をやりながら、芸子をいじりながら、深く酔った夜。
きっと、オレたちが出会っているのは偶然ではない。やるべき芝居、やるべき仕事がオレたちにあるのだ。