秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

精霊流し

さだまさしの歌は、ニューミュージック華やかりし頃、軟弱と非難された。オフ・コースの歌もそうだった。
 
政治や社会、人間愛や人生をテーマにした当時、恋や恋愛を叙情的に歌う唄は、ヒットはしても、ニューミュージックの中では、異端だったのだ。
 
女、子どもにだけ受ける歌は、ひ弱。そのレッテルにめげず、さだも小田和正もかたくな叙情の歌を歌い続けた。
 
70年代の終りになると、その軟弱といわれた歌がリバイバルヒットした。若い女の子たちは、さだや小田に熱狂し、時代の歌のように思っていたが、実は、その軟弱な歌もオレたちの時代に生まれた唄だ。
 
今月は盂蘭盆。地方ではお盆をこの盂蘭盆に合わせているところもある。いまでは、精霊流しをやる地域も少なくなったのだろうが、オレが子どもの頃は、年中行事のひとつだった。
 
そのせいなのか、死ということを常に考えさせられた。意外に若い頃は死が身近にある。若いからこそ、死は遠くない。
 
お盆の時期、自分の先祖や近親者の死を悼み、人が生きるということ、死ぬということの意味を静かに考えるのも悪くはない…。