秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

お母さんにいいつけてやるから!

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村娘と夜桜見物。
 
実は、オレには初の浜離宮。昨日は、結構寒かったが、夜桜がいいというので、夕方、奴の荒い運転にぶつくさいいながら、向かう。
 
村娘は、浜離宮の桜と高層ビルのコントラストの風景が好きらしい。浜離宮に行く前、新宿御苑の桜の群生は華やかだぞといってみたが、どうしても浜離宮がいいと譲らない。確かに御苑では夜桜は見られない。だが、それ以上に、奴は、新宿と聞いただけで、そこは危険な場所と赤信号が出るらしい。
 
聴いてわかった。かつて村娘はこの界隈の高層マンションに住んでいたらしいのだ。なるほど。人は、なじみのある場所や土地が落ち着くし、安心できる。
 
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予報通り、少し雨が落ち始めた頃、外苑のすし屋にでもいこうと向かう。
 
途中、アークヒルズの歩道脇の桜が美しい。車を止めて、しばし散策。外苑前のすし屋で軽くメシをして、帰り際、千鳥が淵、ミッドタウンと立て続けに桜並木を車窓から眺める。
 
 
モンブランが好きだという奴に、じゃ、いままで食べたことのないモンブランを食わせてやると西麻布のケーキ屋にいくが、売り切れ。ではと、店一番のミルクレープを食わせる。オレのニューヨークベークドチーズケーキも一口ぱくり。
 
夜桜ばかり眺めて歩いたせいか、時間の感覚がなくなっている。桜は人を化かす。気づけばもう零時。それほど酒は飲んでいなかったが、桜に酔ったらしい。乃木坂まで送ってもらい、風呂にも入らず、爆睡。
 
なんでも奴のおふくろの美輪明宏(超似ているらしい)とオレは、その毒舌が瓜二つ。かつ、人を読んで、こうだと決め付けるところもそっくりだという。
 
「きっと、お前のママも人に裏切られたり、裏切ったりしながら、人間の真実をいっぱいみてきたからさ」というと、村娘、食い下がる。
 
ソンチョウのいう人間の真実は、おかしい!に始まり、ソンチョウだって、すごいきれいな人としか付き合ってきていないじゃない! で、いってることとやってることが違いすぎると、攻撃に拍車がかかる。
 
「高層マンションに住んで、リッチに暮らしをしている人をソンチョウは揶揄するけど、そういう人にも、いろいろと悩みや苦しみもあるわよ」。「ソンチョウは、死に急ぐようなこといつもいうけど、生きたくてもいきられない人だっているのよ」と、果敢な攻撃。
 
かに。村娘のいうことは正しい。そして、果敢に攻め立てながら、胸いっぱいになって、泣いてしまう。というか、話しているうちに、あれこれ思い出し、涙が溢れてくるタイプ。オレが泣かしてるわけでもないと思うのだが、最後は、こういわれた。
 
「お母さんに言いつけてやるから!」。
 
そういえば、子どもの頃、女の子をいじめて、よくそういわれたっけ(爆)。
 
貧しいことが美しいとはいわない。豊かであることが悪だともいわない。いずれの場合においても、世界を閉じるなといっているのだ。そして、世界を閉じられない生活というのは、やはり貧しさの方がまさる。互いに助け合わなければ生きていけないからだ。
 
かといって、貧しさがいいというのではない。質素、清楚、簡素であることが美しいといっているのだ。豊かさの中でも、それを貫けるから、互いへのいたわりややさしさが生まれる。それが人を孤独から救う。つまりは、すべての人が幸せであるための方程式のことをいっているのだ。
 
しかし、曲がって、ひねくれたオレの言葉は、やはりいじめにしかならないのかも。村娘のママに叱られるのは、そう遠くないかもしれない