秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

首相の品格

先日の麻生と鳩山の党首討論。麻生という人間は、本当に、知識がない。品格がない。

これまでの差別発言、いい間違い、ニヤつき顔と、そのていたらくは、あらためて言うことでもないが、民主党に劣勢に立たされ、初の鳩山との党首討論ということで、肩に力が入っていたのだろう。まだ、裁判で結審もせず、小沢が事情聴取もされてないのに、有罪にもでもなかったように、政治と金の問題を持ち出した。

この人には、法制度というものが、まったく理解できていない。そういう人間がこの国の首相の座に座っていること自体、そら恐ろしい。このブログでも何度がふれているが、現行の政治資金規正法では、西松建設問題で、贈収賄を立件するのは、ほぼ不可能。というか、この程度の起訴内容で、それが有罪になるようなことがあったら、政治家の大半が逮捕、起訴させれなくてはならない。証拠も、自白もない。西松側が、便宜を期待したという証言にだけに頼った起訴。それに、森元首相も二階も事情聴取すらされていない。まさに、意図した片手落ち。

証拠隠蔽の可能性はないと裁判所が判断し、秘書の保釈を決定すれば、またぞろ、アホな検察官僚が、まったをかける。これも、これまでの常識を越えている。贈収賄事件で、保釈差し止め請求は、異例中の異例なのだ。あきらに、検察の対応は異常。あまりに、小沢問題を犯罪に仕立て上げようとなりふり構わぬことをやっていたら、その真実が暴かれたときに、破綻するのは検察だということがわかっていない。

検察官僚がだれの指示で、強引な逮捕、起訴まで持ち込んでいるかはいわないが、明らかに検察官僚を操作している輩がいるのは、いまやマスコミ裏世界の常識。麻生だって、それくらいのことはわかっているのだが、これも麻生をコントロールしている輩が、劣勢を跳ね返すのは、小沢問題しかないと、逮捕・起訴のダメージを必死でよみがえらせようとするから、アホな質問を麻生がやることになる。

その一方で、北朝鮮の核実験での事前通告もなく、つまり、完全にアメリカ、中国に無視されている、麻生政権のていたらくがわかっていない。あんぽんたん安倍がキャンキャン叫んだように、麻生も北への制裁を叫んでいるが、記者の素朴な質問、これだけ制裁をやっているのに、北の暴挙をとめられないのはなぜ?に、自分の能力を超えている質問だと、おバカな対応をしている。

多くの人は知らないが、麻生太郎吉田茂の孫を標榜しているが、ただの外戚。麻生家は、かつて日本軍が朝鮮半島から強制連行した朝鮮人1万人を九州の麻生炭鉱で、強制労働させた血筋。当時、捕虜になっていた欧米兵300人もそこで強制労働させている。その中には事故や過重労働で死亡したものもいる。これは、後に極東軍事裁判でとりあげられ、その戦後補償を約束されたが、実際に補償をしたのは、国、つまり国民の税金だ。

麻生炭鉱は、一銭の金も出さず、戦犯を逃れ、その後も事業を続けたのだ。三井三池闘争など炭鉱闘争では、ヤクザを使って組合員を弾圧し、炭鉱に見切りをつけると、当時、次の大きな資源といわれていたセメントに乗り換えた。

自分の家柄がいやしく、さもしいものだと知っている麻生家は、政財界の有力者に近づき、次々に外戚を結んだ。そのひとりが麻生太郎だ。麻生が総裁選挙にあれほど度々出馬できたのも、いわば、炭鉱労働者の血といのちを物のように扱った、溜め込んだ金があったからに過ぎない。

政治資金の問題を麻生が言うなら、自分が政治家になれ、首相となれた資産のおおもとを公開してみればいい。自分が政治家になる、首相になる上で、きれいな金の上にその地位や立場があるのか、応えられるはずもない。いまはセメント業で、過去とは無縁だという詭弁を使うなら、それこそ、セメントに転じて、ヤクザやマフィアのマネーロンダリングをしているのと同じではないか。

そうした出自の人間にこの国の政治がまかされている。オレは吉田茂を尊敬もしているし、政治家としては世界に通じる一流の政治家だったと確信している。それと一緒にされては、吉田が泣くだろう。

こうしたことは政界でも自明のことで、鳩山はそうしたことを知っているが、それを政敵を攻撃する材料にはしていない。結審もしていないのに、あたかも小沢を犯罪者にし、少しでも自分の評価を上げようとするさもしさとは違う。

品格の差は歴然としている。