秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

桜の木の下で

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著名舞台照明家で 高校演劇部の後輩のYが 劇場を探しているオレのことを気遣って

赤坂に2年前にできた Red Theaterはどうかといってきた

俳優座でとは思っているが 最近よく耳にする劇場なので 昨日 下見へ

小規模ながら よくできている ただ上演可能時期も 金額も俳優座とそう大差ない


「お金のことは大変だろうし 借金かかえてしまうかもしれないけど でも 俳優座でやるべきだと思

う…」以前 オレの心を見透かしたように Norikoにそういわれた


劇団をやっていた頃なら しゃにむにそうしたでしょ そういわれたような気がした

金の工面も含めて いま 躊躇があるのは キャスティング できれば使いたい 出演してもらいたい

女優さんがいるからなのだ 

彼女が出演できるなら 公演は二週間はやりたい そうなれば 前金として

必要な金額も変わってくる そのための金の工面をあれこれ考えているのだ

Norikoがいうように 結論は どういう形にせよ やるしかないのだ

それに Norikoと約束していることもある


そんなこんなを考えながら 下見の帰り道 歩いていると以前 児童館だった建物が廃棄されるらしく

その壁に 古き赤坂の榎木町界隈をなつかしむコメントがイラストと一緒に 壁に書かれている

オレがいま評論本として書こうとしてい本とつながる(写真)


そういえば 赤坂サカスができる工事中の頃から 赤坂まで足を伸ばしたことがないことに気づく

サカスは ま どうということはない が

天気はよかったが 自転車でなく 徒歩で久しぶりに歩いたので 道すがら いくつか新しい店もでき 

ていて また 自転車では 気づかなかった店にも 目が止まる

ふと インディアンストーンの店をみつけ ふらりと入る

ちょい衝動買い


乃木坂まで戻り 乃木神社にお参り 正月以来

赤坂へ行くときから気づいていたが 乃木神社脇の公園の桜は満開(写真)

こうして昼間 トボトボとひとり歩くのは 久しぶりだった


桜の頃には桜にまつわる唄がよく流れる 卒業入学 入社時期にふさわしい唄もながれる

5年前から書き続けている小説は 映画化も考えて書ているのだが その最後に 桜舞うシーンをいれた

いと思っている

そこに使いたいと思っている曲もある だが 卒業や入学をイメージしたものではない


もうだいぶ前のヒット曲だが 使いたいのは つじあやのの「桜の木の下で」

ちなみに 歌詞を紹介すると…



君のとなりで 笑っていたい

なぜか優しい 気持ちになれるから

君と二人で 歩いていたい

なぜか素敵な 言葉に会えるから


そうきっと いつの日か

この場所に 花が咲くだろう

何も知らない 夢をかなえてくれるよ


聞かせて ラララ

君の悲しみに 愛された

すべてを ラララ

桜の木の下で 待っていて



この曲があったから浮んだのではなく 構想を練っていたとき ふと耳にして

心をえぐられた


萩原朔太郎の詩の「さびしい人格」に こんな一節がある


しづかに しづかに 二人でかうして抱き合って居よう

母にも父にも兄弟にも遠くはなれて

母にも父にも知らない孤児の心をむすび合わさう

ありとあらゆる人間の生活の中で

おまへと私だけの生活について話し合おう

まづしいたよりない 二入だけの秘密の生活について


構想を思いついたのは この詩 そして 朔太郎がきっかけだった

前橋文学館のコンペ企画で朔太郎を久しぶりに読み 資料を掘り下げるうちに 浮んだ

透き通るような物語にしたくて コツコツ書いている

幼い男女の物語だが 少女のイメージは 迷いがあったが

本格的に書き始めた1年ほど前に固まった

桜の木の下に しばし座りながら そんなことをぼんやり考えていた


飲み会や宴会ではなく しずかに おだやかに 眺める方が 

桜は 似合っている