秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

気づきのむずかしさ やさしさ

久しぶりに昼間 事務所にいられる これで台本も進むと思っていた

が 自主販売の教育ソフトの梱包備品が 今月売上げがいいので底をついているのに気づき

あわてて 六本木のドンキーに走る

戻ってみると うちのOA機器全般を委託している螢瓮の女性営業MIがドアの前に ポツンといる

あ そうだ 今日午前中に 古いデスクトップの入れ替えを考えて依頼した ノートパソコンの見積の件

で打ち合わせする約束をしていた

書き物に入ると スケジュール表やカレンダーに予定を書き込んでも失念してまう悪いくせ

ごめんごめんといいながら 打ち合わせ

仕事熱心なMIは 見積だ 見積関連の資料だと4セットも用意してきていた

営業にせよ 制作にせよ 事務にせよ 何であれ だれかに提案をするとき こういうふうに きちんと

提案資料を用意し かつ 提案相手が選択できるように いくつか準備する姿は 実に気持ちがいい 

また それを相手にわかるように説明する姿も 頭の中や自社の社員相手に提案シュミレをやっているか

らだとわかる しかし MIがいいのは それが押し付けを感じさせないこと 女性だということもある

と思うが やはり MIの育ちや家庭環境がそうさせているのだ

いじわるなオレは 少しでも値引きをさせようと奴を翻弄する こちらの頭ではこのくらいの金額で落ち

着くだろうと予想ができ そうじゃない?と雑談のように投げかけると 奴は電卓をたたいて確かめる

確かめながら 自社の利益計算をやっている はず

企業の役員をやっていた30代の前半 そんなふうにして 部下や発注先の連中を そっと鍛えていた時代

の記憶がよみがえっていた

大事なのは結論を先に押し付けないこと 自分の結論が正しいと力づくで押し切らないこと

相手にも猶予を与えれば 相手も要望に応えようと頭をめぐらし工夫する 

お客様が満足し かつ 自社の利益を確保するためにはどうすればよいか知恵をしぼる

これは営業の仕事だけでなく オレたちクリエーターにも求められることなのだ 自分の立場ばかり主張

しても話は前に進まない かといって相手の言うなりになっていては 互いに気持ちのいい落としどころ

がみつからず どちからが慙愧(ざんき)の思いを抱く 力で押し切られたと感じてしまうのだ

それは その後の互いの人間関係にいい影響を残さない 互いを大事の思えば 話し合うことができる

話し合えば 相手が工夫していることも 困っていることもわかる それがわかれば なんとかしよう

と譲ることができる 譲ることで また信頼が生まれる

MIが電卓をたたき そうですね かなり安くなりますと真剣な顔を上げる前から オレはもうこの発注

はしようと心に決めていた もちろん金額のこともあるが MIの真摯な姿に共感したからだ

共感には 気づきがいる 自分の目線からだけで相手をみていては共感もない

オレが発注先だと上から目線で MIとこれまでふれあっていたら MIは 真摯にオレのいう数字にな

るための工夫を電卓を叩く頭の中で考えただろうか

オレが今月は撮影があって 資金繰りで回せないから 支払いは来月にと素直に実状を説明しなかったら

MIは 事情もわからず 押してきたのではないだろうか そうなれば きっとオレは不愉快になったと

思う

そうしないためには こういう言い方はよくない こういうふれあい方は相手を不快にするという気づき

が必要なのだ 正直に 素直に 自分の実状や思いを伝えことが大事なのだという気づきが必要なのだ


昨夜 Redで 子育てでちょい頭を抱えているOちゃんに話をしたのも 同じようなこと

他人にはいろいろな配慮 気遣い 気働きができるのだが 家族となるとなかなかできない

それは 家族が密着しているからだし 親は子どもをどこかで自分の所有物だと思ってしまっているから

とりわけ 子どもがまだ小学生 中学生だと ついつい幼児期のようなふれあい方をしてしまう

親は子どもに期待する それは愛があるからだが 子どものことを思うあまり結果を期待する

親から見て合格ラインにないと つい小言や文句がでる それは愛があるから

が しかし 子どもの求めている愛は それとは違う 違うという気づきが親には必要なのだ

完璧ではないけど ほんの少しできたこと やろうと努力したこと やらなければいけないと思ったこと

そのささやかな変化を まずは誉めてやる いや 自分の喜びと心から思えることだ

それは 子どもに自分が親から認めらいるという 温かさを感じられる 愛を感じられる

Oちゃんほんとは 息子が大好きなのに いい上司でなければと部下に対して思うように いいオヤジ

でいなければとがんばっている 実際 いいオヤジなのだが 

大好きな気持ちを素直に 正直に感じさせてやればいい

そのためには がんばっている自分が正しいのかと疑問符を持ち そうではないのだという気づく

気づきが必要なのだ だが Oちゃんがオレにそんな話をしたのは もう気づきに入っているから

ただ そのやり方 取り組み方で まだ迷っているだけ

気づきある人は 必ず やがて実践する だからOちゃんは心配ない きっともっといいオヤジになれる

Oちゃんにも たとえ話でいったけど

恋愛も同じ

自分はその人を愛していると 人はいう 簡単にいう

だが その愛は 相手が望んでいる愛の形なのだろうか

その疑問符を持てない愛は 相手にとって愛ではない 自分に都合のいい愛でしかないのだ

まして 恋愛であれば そこにセックスが介在する 疑問符のないセックスは 結局 愛のないセックス

互いがそれでいいと了解していれば それでいいのかもしれないが

自分はこれでいいのかと気づきの持てない人は いつまでも 愛とは出会えない

Oちゃんが真剣に子どものことで悩め 気づきにたどりつけているのは 奥さんも 子どものことでも

True Loveと出会っているからだ それが悩むという 彼のやさしさにつながっている