合格祝い
昨日は息子が 当初目標だったA大法学部は受かったが それより難しいC大法学部にも合格し 悩んだ
末にC大法学部へ進路を決め 入学金前期授業料の納入期限日だったので だだっと手続きをさせ こっ
ちによんだ
奴に合格祝いのスーツを買ってやるため
自動車免許をとりにいくか 高いスーツを買うか どうする? と聞くと とりあえずはスーツがいいと
いう それにそんな高級なスーツでなくていいよという
息子は物心ついたころから 欲がない 欲がないというより 当時 会社が傾きかけて大変だったので
奴は奴なりに気遣うことをおぼえた いや おぼえさせれたのだろう
オレは免許もこの時期にとらせてしまおうと実は考えているのだ
さびしい思いをさせ がまんもさせてきた これくらいのことはやってやりたい
久しぶりに家族全員で とはいっても3人だが 銀座のオレの行きつけのイソシアにあるMens BIGIへ
大学に合格したら Mens BIGIのスーツを買ってやる オレがそう勝手に決めていた
靴はREGAL これも決めていた
予定通り 揃えて すべて購入 奴は細身で 小学校の低学年まで肥満児だったから 体型にも気をつけ
ている やはり オレの見立てのダンディな細身ファッションは似合う 奴も大人になった気分で笑顔が
浮んでいた
かみさんはスーツを着るようになったのねと同じ言葉を連発する
母親には感無量だったらしい だが 男はこうした機会に 自分が一人の男 大人になっているのだと自
覚できる
それは 母親 父親とバイバイする予行演習 彼女はそれをも感じて 感慨深かったのかもしれない
なんせ ほとんど彼女ひとりで 息子を育てたようなものだから
オレは 何もできないおやじだけど 自分の仕事でていっぱいのオレだけど こうした節目にはオヤジら
しいことをしてやりたいと思ってきたし 節目だけは大事にしてきたつもりだ
そこがしっかりしていれば 子どもは そう大きくはぶれない
オレもおやじが警察官でほとんど家にいないことが多かったから よくわかる
この数年で変わった銀座 オレの得意先の東映もあり すっかり銀座大好き人間になってしまったオレは
飲食店にも詳しくなった
ランチには行列が並ぶ中華レストランの天龍で ちょっと早めの夕食にする
有名なごっつい餃子とやきそばをたのみ ビールで乾杯 ささやかな家族だけの合格祝い
贅沢ではなくても めちゃうまい店であれば オレはそれで幸せな人間 奴らもそうだ
そして 息子に 奴もいったことのあるRedで男だけのお祝いをやろうと提案し やることにする
丁度 博報堂のYさんがこの間の試写会に参加できず 飲もうという話になっていた だったら
その日にRedに久しぶりに息子を連れていくことにする
Yさんはもとは某大手アメリカの楽器会社の宣伝部長だった 自分でジャズバンドも組んでいる
大学のジャズ研の連中がサラリーマンになり それでも毎週集まっては音楽をやっている
みんな大手企業のえらいさんばっかりだ
六本木のファーストステージはこの国のトップレベルのアマチュアのジャズ好きが即興でコラボできる貴
重なスペース
映画の取材のつもりでYさんに連れられ ジャズ好きのオレは しばらく毎週通っていた
Yさんのジャズギターはすごい 息子も大学受験が始まる前までは いまどきロックのコピーバンドをや
っていたから これはYさんのギターテクを見せるべきだと思い その日にした
前々から息子に会いたがってたRedの連中の顔が浮び だったらと Redバラバラバンドにも声をか
けた 中には奴が行く C大の卒業生もいる これは これからいっぱしの男になろうとする奴の洗礼と
していい
連絡すると みんな忙しいのに 何とかするよという返事
カントクの勝手なスケジュールに あわさせてしまった
RedのYouにも知らせたが 先週末の御礼も含め よろしくの挨拶に顔を出す
「W大残念でしたねぇ」とYouがいう オレが実は自分の母校にいかせたかったことがよくわかってい
る しかし これも何か意味があってのこと 奴がC大の法学部に進むことで歩まねばならないミッショ
ンがきっとあるのだ オレがW大の文学部へ進むことで感じたミッションのように
深酒はせず切り上げ マンションに向かっていると また ばばあと会う
立ち話であれこれしゃべっていると 突然 ばばあが
「あなた 最近 包容力がでてきたわよね」という 「やさしくなったわよ なんとなく」
へぇ 歳のいっている人間にそう見えるというのは うれしい しかし どうしてそんなことをばばあ
が突然言うのかわからない
ばばあは感性も知性も教養もある 普段 棺おけに片足つっこんでるだの 同じことばかり繰り返し
痴呆がはじまっているだのオレの毒舌に笑っているのに ときおり ふと えっと考えさせることを
いう
オレに包容力がみえる…
ばばあ お前は占い師か
末にC大法学部へ進路を決め 入学金前期授業料の納入期限日だったので だだっと手続きをさせ こっ
ちによんだ
奴に合格祝いのスーツを買ってやるため
自動車免許をとりにいくか 高いスーツを買うか どうする? と聞くと とりあえずはスーツがいいと
いう それにそんな高級なスーツでなくていいよという
息子は物心ついたころから 欲がない 欲がないというより 当時 会社が傾きかけて大変だったので
奴は奴なりに気遣うことをおぼえた いや おぼえさせれたのだろう
オレは免許もこの時期にとらせてしまおうと実は考えているのだ
さびしい思いをさせ がまんもさせてきた これくらいのことはやってやりたい
久しぶりに家族全員で とはいっても3人だが 銀座のオレの行きつけのイソシアにあるMens BIGIへ
大学に合格したら Mens BIGIのスーツを買ってやる オレがそう勝手に決めていた
靴はREGAL これも決めていた
予定通り 揃えて すべて購入 奴は細身で 小学校の低学年まで肥満児だったから 体型にも気をつけ
ている やはり オレの見立てのダンディな細身ファッションは似合う 奴も大人になった気分で笑顔が
浮んでいた
かみさんはスーツを着るようになったのねと同じ言葉を連発する
母親には感無量だったらしい だが 男はこうした機会に 自分が一人の男 大人になっているのだと自
覚できる
それは 母親 父親とバイバイする予行演習 彼女はそれをも感じて 感慨深かったのかもしれない
なんせ ほとんど彼女ひとりで 息子を育てたようなものだから
オレは 何もできないおやじだけど 自分の仕事でていっぱいのオレだけど こうした節目にはオヤジら
しいことをしてやりたいと思ってきたし 節目だけは大事にしてきたつもりだ
そこがしっかりしていれば 子どもは そう大きくはぶれない
オレもおやじが警察官でほとんど家にいないことが多かったから よくわかる
この数年で変わった銀座 オレの得意先の東映もあり すっかり銀座大好き人間になってしまったオレは
飲食店にも詳しくなった
ランチには行列が並ぶ中華レストランの天龍で ちょっと早めの夕食にする
有名なごっつい餃子とやきそばをたのみ ビールで乾杯 ささやかな家族だけの合格祝い
贅沢ではなくても めちゃうまい店であれば オレはそれで幸せな人間 奴らもそうだ
そして 息子に 奴もいったことのあるRedで男だけのお祝いをやろうと提案し やることにする
丁度 博報堂のYさんがこの間の試写会に参加できず 飲もうという話になっていた だったら
その日にRedに久しぶりに息子を連れていくことにする
Yさんはもとは某大手アメリカの楽器会社の宣伝部長だった 自分でジャズバンドも組んでいる
大学のジャズ研の連中がサラリーマンになり それでも毎週集まっては音楽をやっている
みんな大手企業のえらいさんばっかりだ
六本木のファーストステージはこの国のトップレベルのアマチュアのジャズ好きが即興でコラボできる貴
重なスペース
映画の取材のつもりでYさんに連れられ ジャズ好きのオレは しばらく毎週通っていた
Yさんのジャズギターはすごい 息子も大学受験が始まる前までは いまどきロックのコピーバンドをや
っていたから これはYさんのギターテクを見せるべきだと思い その日にした
前々から息子に会いたがってたRedの連中の顔が浮び だったらと Redバラバラバンドにも声をか
けた 中には奴が行く C大の卒業生もいる これは これからいっぱしの男になろうとする奴の洗礼と
していい
連絡すると みんな忙しいのに 何とかするよという返事
カントクの勝手なスケジュールに あわさせてしまった
RedのYouにも知らせたが 先週末の御礼も含め よろしくの挨拶に顔を出す
「W大残念でしたねぇ」とYouがいう オレが実は自分の母校にいかせたかったことがよくわかってい
る しかし これも何か意味があってのこと 奴がC大の法学部に進むことで歩まねばならないミッショ
ンがきっとあるのだ オレがW大の文学部へ進むことで感じたミッションのように
深酒はせず切り上げ マンションに向かっていると また ばばあと会う
立ち話であれこれしゃべっていると 突然 ばばあが
「あなた 最近 包容力がでてきたわよね」という 「やさしくなったわよ なんとなく」
へぇ 歳のいっている人間にそう見えるというのは うれしい しかし どうしてそんなことをばばあ
が突然言うのかわからない
ばばあは感性も知性も教養もある 普段 棺おけに片足つっこんでるだの 同じことばかり繰り返し
痴呆がはじまっているだのオレの毒舌に笑っているのに ときおり ふと えっと考えさせることを
いう
オレに包容力がみえる…
ばばあ お前は占い師か