秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ウエストの精神

東映にお中元を届けに顔を出す。定番のWESTのドライケーキの詰め合わせ。
 
うちの会社のお中元、お歳暮は、この十年ばかり、WESTと決まっている。一時、クリスビードーナツの店があるイトシア地下にうまくて安いドラ焼き屋をみつけて、東映だけは切り換えたこともあったが、場所の割りに値段が安すぎたのだろう。店がなくなってしまった。
 
女性のいる店があまり好きではなく(註:女を売っていない店で、客とほどよい距離で会話を楽しむ店は別)、ましてや銀座のクラブなどいった経験のないオレは体験してないが、銀座で遊ぶ紳士なら、クラブでなじみのホステスさんへの手みあげにするのはWESTのお菓子と相場が決まっていた時代がある。
 
だから、銀座WESTがよく知られているが、実は、WESTの菓子工場とティールーム、店舗販売の主力は青山にある。うちから徒歩3分。
 
創業者の社長さんが高齢ながら元気な頃は、いつも開店前の店先を掃除していた。
最初は従業員かと思うほど、腰が低かった。えらくなって、店が儲かるようになっても、小さな菓子屋だった頃の生活を崩していない。昔堅気の菓子職人。それに心を打たれて、ファンになってしまったのだ。
 
店の女性スタッフは実に教育されていて、不遜がない。もう退職されたのだろうが、中年の店を仕切る、お局様的女性店員さんがいた頃は、いまより、接客がしっかりしていた。きっと、厳しい人だったのだろうと思う。
 
昨日も、リニューアルしてから営業時間が9時半からだったのが、久しぶりにいくと11時になっていて、5分前でCLOSEの看板が出ていたのだが、若い女性店員さんが、店先に立っているオレに気づいて、手で電源の入ってない自動ドアを開け、ティールームのご利用でないなら、どうぞと中に入れてくれた。ささいなことだが、そんな気配りがうれしい店。
 
赤坂の茶菓子の専門店塩野もそうだが、こういう店には上客がつくし、一旦気に入れば、オレのように、通い続ける。
 
仕事は丁寧に、お客さまの気持ちになって…。その当たり前のことを当たり前に、平常心を失わず、毎日同じように繰り返す。その大切さをいつも教えられる。
 
そんな思いで東映へ顔を出したご褒美なのか。お中元を渡して、早々に東映を出て、いつものように隣のDIESELで、馴染みの店員さんたちとダベリながら、プレゼント用の買い物をしていると、Cプロデューサーから電話。再び顔を出すと、またまた8月に動き出す仕事の相談。
 
打ち合わせ後、今回の異動であらたにスタッフに加わったMさんを紹介され、社食で食事を終えていたCさんはお茶しかしないのに、オレは昼食をご馳走になってしまった。まったく予想外の展開。感謝。
 
WESTの精神にならい、この間、頼まれた東映敗戦続きの啓発作品の企画を、丁寧に仕上げなくては…と、改めて教えられたような気がした。
 
そんなこともあり、いつもなら暇な7月、8月が想像していた以上に、スケジュールが詰まってきている。企画書を挙げる作業もあるが、その提出時期に、プレゼンのために関西方面に出張もある。久しぶりの関西出張にあわせて、御礼と営業を兼ねて、徳島県の仕事でお世話になったクライアントの方々にお会いすることにもなった。
 
飛び込みで、女優の悠子や神川真理が所属しているプロダクションのマネージャンさんから、単発だが、ワークショップの講師も頼まれている。その間に、ボランティアやNPOの集いもあるし、お中元の挨拶もある。
 
だが、いろいろと声をかけていただき、また、なつかしい人との再会の機会を得られる。こんなにありがたいことはない。
 
やはり、WESTの精神は忘れてはならない。苦しいときに腐った奴が負け。辛いときに辛さを他人にぶつける奴が道を失う。大事なのは、いつも前向きに、顔を上げ、笑顔を忘れないこと。他人の笑顔を自分の喜びとできること…。
 
うむむ。どこかで聞いたような、その言葉…。