秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

花の戒め

東宝系の映画の仕事で忙しい中、音効のKが時間をつくり、自主作品の打ち合わせ。
 
師匠のSが抱えていた仕事が暇だといっていたKに回り、テレビの2時間物をやったり、オレの仕事をやったりで、日活撮影所に通いながら、睡眠時間を削っている。
 
会社はそれほど忙しくないが、KとSだけ超多忙。しかし、ほとんどの制作関連会社も同じようなもの。仕事が減っている上に、仕事の偏りがおきている。
 
短観経済指標などで、やや持ち直しと報じられたり、昨日の新聞でも株価の上昇率が急速な展開を見せているとあったが、ここにも偏りがあるし、景気の変化が万遍なく行き渡るには、まだまだ、時間はかかる。弱小制作会社には、試練が続く。
 
などということを語りながら、奴と奴の後輩くんのSと仕事終りにランチをして、帰路、八分以上開花をした、青山霊園の桜並木を写真にとる。
 
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今年は、開花宣言が出て、真冬のような寒さに戻り、満開の週末かと思えば、今日は午後から冷え込み、雨も降るという。春らしい陽気の中で、桜を見れるのは、日曜当たりまで待つしかない。
 
オレが楽しみにしていた、白木蓮は、やはり、剪定のやりすぎで、開花できなかった。せつなく開き、春らしい香りを届ける白木蓮を見れないのは、至極残念。
 
などと考えつつ事務所に戻ると、すぐに文科省から連絡。申請書の手直しと注意事項の連絡。同じ頃、その作品のジャケットの校正データを東映のKさんが送ってくれる。さすがに、これだけの自主作品をつくると、作品の制作そのものだけでなく、あれこれやらなければいけないことが多い。
 
新年度初めの4月1日。エィプリル・フールの冗談や戯言遊びもなく、世の中全体、なんとなく静かに向かえたような気がするのはオレだけだろうか。
 
昨日は、春らしく、また風が強かった。強風で迎えた新しい年度。その風をどう凌ぎ、風雨にさらされながら、どう花を、実をつけていくのか。
 
桜ばかりでなく、オレたちのこれからの生き方も、それを試されているのかもしれない。
 
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「七重八重 花は咲けども 八重桜 実のひとつだに 無きぞ かなしき」。
 
そうならない、努力と準備、構えがいる。と、戒める。